『万波を翔る』木内 昇 **

 

 開国から四年、幕府は外国局を新設したが、高まる攘夷熱と老獪な欧米列強の開港圧力というかつてない内憂外患を前に、国を開く交渉では幕閣の腰が定まらない。切れ者が登庸された外国奉行も持てる力を発揮できず、薩長の不穏な動きにも翻弄されて…勝海舟、水野忠徳、岩瀬忠震小栗忠順から、渋沢栄一まで異能の幕臣そろい踏み。お城に上がるや、前例のないお役目に東奔西走する田辺太一の成長を通して、日本の外交の曙を躍動感あふれる文章で、爽やかに描ききった傑作長編! (「BOOK」データベースより)

 

できるかぎり予備知識なしで読み始めるのですがタイトルから嫌な予感はあったのです。関西弁の本と幕末物、歴史小説は苦手です。何とか読み終わりましたが、木内昇さんでなければ途中放棄していたかな。いかにも日経に連載されそうな本ではあります。木内さんのマイベストは『茗荷谷の猫』『よこまち余話』『化物蠟燭』です。偏ってますねえ。あっ『浮世女房洒落日記』も、時代小説は好きなんです。

 

2019-130

『悲恋 密命・尾張柳生剣』佐伯 泰英 **

 

悲恋―密命・尾張柳生剣〈巻之八〉 (祥伝社文庫)

悲恋―密命・尾張柳生剣〈巻之八〉 (祥伝社文庫)

 

 江戸中の話題をさらった「享保剣術大試合」から一月後、金杉惣三郎を狙う刺客が次々と放たれてきた。しかも相手は、日本一を豪語する尾張柳生の四天王。どうやら遺恨は、先の大試合が行なわれた当夜に起こった二つの決闘にあるらしかった。さらに、密かに若武者に恋心を抱く惣三郎の娘みわが誘拐され、惣三郎の怒りが爆発する。絶好調「密命」シリーズ第八弾。(「BOOK」データベースより)

 

2019-129

『初陣―密命・霜夜炎返し〈巻之七〉』佐伯 泰英 **

 

初陣―密命・霜夜炎返し〈巻之七〉 (祥伝社文庫)

初陣―密命・霜夜炎返し〈巻之七〉 (祥伝社文庫)

 

幕府開闢以来はや百十余年、軟弱に堕す武士を憂えた八代将軍吉宗は、「享保剣術大試合」の開催を命じた。諸国から厳選された剣術家の中には、あれほど幼かった金杉清之助の成長した姿があった。一方“秘剣鞘の外”とともに襲い来る謎の剣客・菊小童。清之助の初陣となる試合中、金杉父子に危機が迫る!清之助が剣者としての自覚を強め、シリーズ転換点となった一作。  (「BOOK」データベースより)

 

2019-128

『密命〈巻之三〉残月無想斬り』佐伯 泰英 **

 

密命〈巻之三〉残月無想斬り (祥伝社文庫)

密命〈巻之三〉残月無想斬り (祥伝社文庫)

 

 八代将軍吉宗の側近を次々と襲う暗殺者。金杉惣三郎は現場に遭遇し愕然とした。刺客は皺だらけの老人で、じつに緩慢な動作で剣を振るう。しかし剣の動きはまるで見えず、鉄砲さえ通用しないのだ!南町奉行大岡越前の密命を帯びた惣三郎の、老刺客石動奇嶽をおびき寄せる驚天動地の奇策とは…。 (「BOOK」データベースより)

 

2019-127

『我らが少女A』髙村 薫 ***

 

我らが少女A

我らが少女A

 

 一人の少女がいた―合田雄一郎、痛恨の未解決事件。動き出す時間が世界の姿を変えていく。人びとの記憶の片々が織りなす物語の結晶。(「BOOK」データベースより)

 

いろいろな文学賞を受けた『土の記』や、直木賞の選評で侮れない作家と思う高村薫さんの新作は期待以上でした。合田刑事が登場でシリーズものを期待して読むとがっかりすることになるかもしれません。でも『土の記』を評価した読者であれば満足すると思います。推理小説を期待するとそれはどうかな?

 

2019-126