2017-11-15から1日間の記事一覧

『光圀: 古着屋総兵衛 初傳』 佐伯泰英 *

天下の悪法「生類憐みの令」やゆがんだ将軍継承方針など五代将軍綱吉の大義なき政の専横ぶりに御三家定府水戸光圀は憤怒を募らせる。綱吉の背後には、隆光権僧正の影がちらつく。家康との約定により、表の顔は古着問屋、裏の貌は隠れ旗本として徳川守護を五…

『血に非ず―新・古着屋総兵衛〈第1巻〉』 佐伯泰英 **

六代目総兵衛の活躍した元禄・宝永年間から九十余年。享和二年(1802)、九代目総兵衛勝典は、労咳で瀕死の床にあった。嫡子幸之輔を流行病で亡くし、大黒屋内には直系の者はいない。深川で女郎屋を営む女はかつて勝典を誑かして子を孕んだというのだが。後継…