『棋士とAIはどう戦ってきたか~人間vs.人工知能の激闘の歴史』 松本博文 **

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二〇一七年四月一日、現役タイトル保持者が、はじめてコンピュータ将棋ソフトに敗れた。AI(人工知能)が、ついに人間の王者を上回ったのだ。それは予想だにしない奇跡だったのか、それとも必然だったのか?コンピュータ将棋の開発が始まってから四十年あまり、当初、「人間に勝てるはずがない」ともいわれたコンピュータ将棋は、驚異的な進化を遂げて、いま、人間の前に立ちはだかる。この間、棋士は、そしてソフト開発者は何を考え、何をめざしてきたのか?そして、人間とAIは、どのような関係へと向かうのか?将棋界の最前線を十数年取材してきた将棋記者の、渾身のルポルタージュ!(「BOOK」データベースより)


米長vsボンクラーズの頃から追っかけているので、特に目新しい情報はなかったのですが、松本さん以外では書けない本でしょう。電王戦でコンピュータのハードの制限(niconicoにも言い分はあるでしょうが)や貸し出しの義務化といった条件ですでに棋士vsコンピュータ将棋の決着はついているのに、興業を続けたいniconicoと将棋協会の思惑を書かないのはどうでしょう。しかし書いてしまうと今後の取材活動にさらに制限がかかるでしょうからオブラートに包むしかなかったということかな。この本の最大の楽しみはこの辺を松本さんがどう書くか、どう書かないかにあります。


2018-109