『万波を翔る』木内 昇 **

 

 開国から四年、幕府は外国局を新設したが、高まる攘夷熱と老獪な欧米列強の開港圧力というかつてない内憂外患を前に、国を開く交渉では幕閣の腰が定まらない。切れ者が登庸された外国奉行も持てる力を発揮できず、薩長の不穏な動きにも翻弄されて…勝海舟、水野忠徳、岩瀬忠震小栗忠順から、渋沢栄一まで異能の幕臣そろい踏み。お城に上がるや、前例のないお役目に東奔西走する田辺太一の成長を通して、日本の外交の曙を躍動感あふれる文章で、爽やかに描ききった傑作長編! (「BOOK」データベースより)

 

できるかぎり予備知識なしで読み始めるのですがタイトルから嫌な予感はあったのです。関西弁の本と幕末物、歴史小説は苦手です。何とか読み終わりましたが、木内昇さんでなければ途中放棄していたかな。いかにも日経に連載されそうな本ではあります。木内さんのマイベストは『茗荷谷の猫』『よこまち余話』『化物蠟燭』です。偏ってますねえ。あっ『浮世女房洒落日記』も、時代小説は好きなんです。

 

2019-130