闇はあなたの後ろに、今も佇む――。忍び寄る足音に背筋が寒くなる連作集。次々と語られる、闇に遭遇した者たちの怪異譚。ゲストハウスでほんの一時関わっただけの男から送られてくる、罪の告白。その内容は驚くべきもので……(「さまよえる絵描きが、森へ」)。弟が殺人事件を起こし、一家は離散。隠れ住む姉をつけ狙う悪意は、一体、誰のものなのか(「やがて夕暮れが夜に」)。全五篇。
題名がカタカナになったころ、読むのを止めてしまった恒川さん、久しぶりに読みました。カタカナよりはでしたが、恒川さんのような作風はむつかしいですね。いつまでも『夜市』を期待してはいけないのでしょうが。
2021-032