『むじな屋語蔵 世迷い蝶次』 三好 昌子 ***

 

 文芸評論家 大矢博子さん、絶賛!「きっと読者にも勇気と力を与えてくれる」“秘密”を預かる奇妙な商いには、驚きと喜びがあった。重荷を抱えて生きる人に寄り添う物語。
京都西町奉行所同心の手先の蝶次は、高瀬川の辺で美女と遭う。「女の訪れた家には死人が出る」閻魔の使い女こと謎の質屋『むじな屋』の主お理久だった。大店の娘から、亡き毋が秘密を預けていた代償として広大な庭を取り上げられる、という阿漕な話を聞いた蝶次は、義憤から化野のむじな屋を訪れるが……。誰しもが抱く悔恨。それでも前を向く勇気と覚悟を描く時代小説。

 

2021-033