『テスカトリポカ』 佐藤 究 ***

 

鬼才・佐藤究が放つ、クライムノベルの新究極、世界文学の新次元!

メキシコのカルテルに君臨した麻薬密売人のバルミロ・カサソラは、対立組織との抗争の果てにメキシコから逃走し、潜伏先のジャカルタで日本人の臓器ブローカーと出会った。二人は新たな臓器ビジネスを実現させるため日本へと向かう。川崎に生まれ育った天涯孤独の少年・土方コシモはバルミロと出会い、その才能を見出され、知らぬ間に彼らの犯罪に巻きこまれていく――。海を越えて交錯する運命の背後に、滅亡した王国〈アステカ〉の恐るべき神の影がちらつく。人間は暴力から逃れられるのか。心臓密売人の恐怖がやってくる。誰も見たことのない、圧倒的な悪夢と祝祭が、幕を開ける。第34回山本周五郎賞受賞。

 

山本周五郎賞受賞で直木賞候補ということで読みました。これでもかというアステカの情報の羅列をどう読むかでしょうね、これがなければ一般的なページ数の普通の小説になって、この熱気はないのかも。

エンターテイメントとして面白さは、高橋和明氏の『ジェノサイド』に似ていると思った。山周賞と直木賞を受賞し、その面白さは十分ですが『文学賞』の対象としてはどうなんでしょうね。

 

 

2021-041