『帝国の弔砲』 佐々木 譲 **

 

帝国の弔砲

帝国の弔砲

  • 作者:佐々木 譲
  • 発売日: 2021/02/25
  • メディア: 単行本
 

なぜ彼は、工作員として日本に潜伏したのか――
ミステリの名手による新たな挑戦。圧巻のスケールの〈改変歴史冒険小説〉!

ロシア沿海州に開拓農民として入植した小條夫妻の次男・登志矢は、鉄道工科学校で学び、念願の鉄道技能士となった。だが世界大戦のさなか帝国軍に徴兵されて前線へ送られ、激戦を生き延びる。そして復員すると、帝国には革命の嵐が吹き荒れ、やがて登志矢もいやおうなしに飲み込まれていく……。

日本人の両親のもとロシアで生まれ育った男がたどる数奇な運命。
悲嘆、憤怒、そして憎悪が、運命に翻弄された男を突き動かす!

 

『抵抗都市』圧巻の歴史改変警察小説で、今回の『帝国の弔砲』が〈改変歴史冒険小説〉!ですか、成功したとは思えないなあ。『雪に撃つ』もいまいち『図書館の子』は良かった。

 

2021-021

 

『心淋し川』 西條 奈加 ***

 

心淋し川

心淋し川

  • 作者:西條 奈加
  • 発売日: 2020/09/04
  • メディア: 単行本
 

不美人な妾ばかりを囲う六兵衛。その一人、先行きに不安を覚えていたりきは、六兵衛が持ち込んだ張形に、悪戯心から小刀で仏像を彫りだして…(「閨仏」)。飯屋を営む与吾蔵は、根津権現で小さな女の子の唄を耳にする。それは、かつて手酷く捨てた女が口にしていた珍しい唄だった。もしや己の子ではと声をかけるが―(「はじめましょ」)他、全六編。生きる喜びと哀しみが織りなす、渾身の時代小説。 (「BOOK」データベースより)

 

何冊か読んでもういいか?と読みたい作家リストから外した西條さん「直木賞」ということで手に取りました。これまでで一番納得した作品でした。受賞おめでとうございます。

 

2021-020

 

『タイタン』 野崎 まど *

 

タイタン

タイタン

  • 作者:野崎 まど
  • 発売日: 2020/04/22
  • メディア: 単行本
 

今日も働く、人類へ

至高のAI『タイタン』により、社会が平和に保たれた未来。
人類は≪仕事≫から解放され、自由を謳歌していた。
しかし、心理学を趣味とする内匠成果【ないしょうせいか】のもとを訪れた、
世界でほんの一握りの≪就労者≫ナレインが彼女に告げる。
「貴方に≪仕事≫を頼みたい」
彼女に託された≪仕事≫は、突如として機能不全に陥った
タイタンのカウンセリングだった――。

アニメ『バビロン』『HELLO WORLD』で日本を震撼させた
鬼才野﨑まどが令和に放つ、前代未聞の超巨大エンターテイメント。

 

正確には読んでいない(挫折)しました。我慢して読了しようと頑張ったのですが、「雰囲気のいいフレンチレストランに入店した」ところで怒りが頂点に。放り投げました。

 

2021-019

『羊は安らかに草を食み』 宇佐美 まこと ***

 

羊は安らかに草を食み

羊は安らかに草を食み

 

認知症を患い、日ごと記憶が失われゆく老女には、それでも消せない “秘密の絆" があった――
八十六年の人生を遡る最後の旅が、図らずも浮かび上がらせる壮絶な真実!

日本推理作家協会賞 『愚者の毒』 を超える、魂の戦慄!

過去の断片が、まあさんを苦しめている。それまで理性で抑えつけていたものが溢れ出してきているのだ。彼女の心のつかえを取り除いてあげたい――
アイと富士子は、二十年来の友人・益恵を “最後の旅" に連れ出すことにした。それは、益恵がかつて暮らした土地を巡る旅。大津、松山、五島列島……満州からの引揚者だった益恵は、いかにして敗戦の苛酷を生き延び、今日の平穏を得たのか。彼女が隠しつづけてきた秘密とは? 旅の果て、益恵がこれまで見せたことのない感情を露わにした時、老女たちの運命は急転する――。

 

 最後はそんなことはないなあ、と思いつつもそうでないと、報われないなとも。

 

2021-018

 

『極刑』 小倉 日向 **

 

極刑

極刑

  • 作者:小倉 日向
  • 発売日: 2020/08/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

お前は消えるべき人間だ。愛娘を殺されながらも極刑を望まなかった半田龍樹は、妻とも別れ、小さな居酒屋を始めた。一見、平穏に流れる日々―。だが、常連客は知らなかった。龍樹の陰の“制裁”を。卑劣な罪を犯しながらも逃げおおせた者を執拗に追跡し、淡々と運命の引き金を引いていく龍樹。黒い血に塗れた両の手は、やがて思いがけない事態を引き寄せてしまう。人間のダークサイドを容赦なく抉り、読後はなぜか救われる衝撃のデビュー作。 (「BOOK」データベースより)

 

登場人物が独特のようで、実はステレオタイプかな。

 

2021-017

 

『祗園会 (新・吉原裏同心抄(四))』 佐伯 泰英 ***

 

祗園会 (新・吉原裏同心抄(四))

祗園会 (新・吉原裏同心抄(四))

  • 作者:佐伯 泰英
  • 発売日: 2021/03/10
  • メディア: 文庫
 

非情な運命に襲われる、二つの町の人々。
命をかけた総力戦へ!

江戸・吉原で、評判の遣り手らが不可解な辞職をし、相次いで姿を消した。
異変の臭いを嗅いだ四郎兵衛ら会所の面々は、その企みの背後を探ろうとする。
一方の京では、ひと月続く華やかな祭礼、祇園会が始まった。
祇園囃子の響く中、幹次郎は、新たな刺客からの脅迫と攻撃に直面する。
大切な町を守るため、総力戦ともいえる戦いが幕を開ける。
慟哭必至のラスト!

 

祇園と吉原の同時進行は、無理があったような。

 

2021-016

 

『愚か者(フリムン)の島』 乾 緑郎 ***

 

愚か者(フリムン)の島

愚か者(フリ2021-014ムン)の島

  • 作者:乾緑郎
  • 発売日: 2021/01/07
  • メディア: 単行本

 

 

 

 

 この島には、人を狂わせる何かが、ある――――
自然主義に傾倒し、原始的な二人きりの生活を夢見る不倫カップル。
息子を引きこもりから脱却させるため、全てを捨ててきた教師一家。
ある野望を胸に、島の買収を画策する女社長と従者。
――そして、恋人を殺して逃げてきた男子大学生。

 

愚か者たちの島ですね。吉田修一「怒り」を思い出しました。この乾さんは私の求める乾さんではありません。ちょっと残念。

 

2021-015