2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『三鬼 三島屋変調百物語四之続』 宮部みゆき ***

江戸の洒落者たちに人気の袋物屋、神田の三島屋は“お嬢さん”のおちかが一度に一人の語り手を招き入れての変わり百物語も評判だ。訪れる客は、村でただ一人お化けを見たという百姓の娘に、夏場はそっくり休業する絶品の弁当屋、山陰の小藩の元江戸家老、心の…

『蜜蜂と遠雷』 恩田陸 **

俺はまだ、神に愛されているだろうか?ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、そして音楽を描き切った青春群像小説。著者渾身、文句なしの最高傑作!3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンク…

『私の家は山の向こう-テレサ・テン十年目の真実』 有田芳生 **

「つぐない」「愛人」「時の流れに身をまかせ」などのヒット曲で愛された歌手テレサ・テンが旅行先のタイで急死してから十余年。スパイ説、中国政府の罠、天安門事件との繋がり…残された謎の数々。本当の死因は何だったのか?中国と台湾の現代史の狭間で翻弄…

『悲しみのイレーヌ』 ピエール・ルメートル, 橘 明美 (訳) ***

『悲しみのイレーヌ』 ピエール・ルメートル, 橘 明美 (訳) *** 『その女アレックス』の刑事たちのデビュー作連続殺人の捜査に駆り出されたヴェルーヴェン警部。事件は異様な見立て殺人だと判明する…掟破りの大逆転が待つ鬼才のデビュー作。 (「BOOK」デー…

『本バスめぐりん。』 大崎梢 ***

3000冊の本を載せて種川市を走る移動図書館、愛称めぐりん。乗り込むのは、65歳の新人運転手テルさんと図書館司書のウメちゃんだ。2人と1台を待ち受けるのは利用者とふしぎな謎の数々で?!本でつながる想いをのせて、移動図書館は今日も走る! (「BOOK」デー…

『QJKJQ』 佐藤究 **

猟奇殺人鬼一家の長女として育った、17歳の亜李亜。一家は秘密を共有しながらひっそりと暮らしていたが、ある日、兄の惨殺死体を発見してしまう。直後に母も姿を消し、亜李亜は父と取り残される。何が起こったのか探るうちに、亜李亜は自身の周りに違和感を…

『氷の轍』 桜木紫乃 ***

北海道釧路市の千代ノ浦海岸で男性の他殺死体が発見された。被害者は札幌市の元タクシー乗務員滝川信夫、八十歳。北海道警釧路方面本部刑事第一課の大門真由は、滝川の自宅で北原白秋の詩集『白金之獨樂』を発見する。滝川は青森市出身。八戸市の歓楽街で働…

『夜行』 森見登美彦 ***

『夜は短し歩けよ乙女』『有頂天家族』『きつねのはなし』代表作すべてのエッセンスを昇華させた、森見ワールド最新作!旅先で出会う謎の連作絵画「夜行」。この十年、僕らは誰ひとり彼女を忘れられなかった。 (「BOOK」データベースより)直木賞の候補とい…

『星々たち』 桜木紫乃 ***

奔放な母親とも、実の娘とも生き別れ、昭和から平成へと移りゆく時代に北の大地を彷徨った、塚本千春という女。その数奇な生と性、彼女とかかわった人々の哀歓を、研ぎ澄まされた筆致で浮き彫りにする九つの物語。 (「BOOK」データベースより)全編、桜木紫…

『革命前夜』 須賀しのぶ ***

バブル絶頂期の日本を離れ、東ドイツに渡った一人の日本人留学生。住民が互いに監視しあう灰色の町で彼が出会ったのは、暗さのなかから生まれる、焔のような音楽だった。冷戦下のドイツを舞台に、日本人音楽家の成長を描く歴史エンターテイメント! (「BOOK…

『江戸の検屍官―北町奉行所同心北沢彦太郎謎解き控』 川田弥一郎 ***

北町奉行所定町廻り同心北沢彦太郎は、並ぶ者のない死体改めの目利き。検屍の教典「無冤録述」を片手に、今日も殺しの現場に出かけては、些細な矛盾を手がかりに、意外な真相を見抜く。医学推理と捕物帳が融合した異色ミステリ。 (「BOOK」データベースより…

『杏の気分ほろほろ』 杏 ***

「ごちそうさん」「デート」から、「花咲舞」に「オケ老人!」まで。女優として駆け抜け、そして人生の新たなステージへと進んだ三年半の日々―朝日新聞デジタルの連載に、今だからこそ記せる「その後の話」を大幅加筆!エッセイ集第二弾! (「BOOK」データベー…

『セイレーンの懺悔』 中山七里 *

葛飾区で発生した女子高生誘拐事件。不祥事により番組存続の危機にさらされた帝都テレビ「アフタヌーンJAPAN」の里谷太一と朝倉多香美は、起死回生のスクープを狙って奔走する。多香美が廃工場で目撃したのは、暴行を受け、無惨にも顔を焼かれた被害者・東良…

『哀愁の町に霧が降るのだ〈下巻〉』 椎名誠 **

椎名誠、沢野ひとし、木村晋介、イサオの四人は、相変わらず「克美荘」の暗く汚い六畳の部屋で、共同貧乏生活の日々を送っていた。しかし、それぞれが徐々に自分の生活を確立していくにつれ、四人が揃うことは少なくなっていく。そして、共同生活にもついに…

『哀愁の町に霧が降るのだ』 椎名誠 **

脚本学校に通い、小さな雑誌社でアルバイトをしている椎名誠、大学生の沢野ひとし、弁護士をめざす木村晋介、唯一の給料取りイサオ。東京のはずれ、江戸川区小岩の中川放水路近くにあるアパート〈克美荘〉の、昼でも陽のささない汚い六畳の部屋で、四人の男…

『蜜と唾』 盛田隆二 **

梶亮平、27歳。ブラック企業体験記が、初めて月刊誌に掲載された。それを見たという美帆子から四年ぶりに電話が入る。学生時代、家庭教師をしていた少年の母親だ。中学受験を前に少年は交通事故で亡くなった。後に刑事の事情聴取に応じた際、亮平は思い知る…

『残月 みをつくし料理帖』 高田郁 ***

吉原の大火、「つる家」の助っ人料理人・又次の死。辛く悲しかった時は過ぎ、澪と「つる家」の面々は新たな日々を迎えていた。そんなある日、吉原の大火の折、又次に命を助けられた摂津屋が「つる家」を訪れた。あさひ太夫と澪の関係、そして又次が今際の際…