2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『ルパンの娘』 横関大 ***

わたしは泥棒の娘。結婚を考えていた彼は、警察一家の長男だった。(「BOOK」データベースより)ハートフルなミステリーでした。『スマイルメーカー』に続き横関大さん2冊目です。なぜか天藤真さんの『大誘拐』を思い出しました。

『押入れのちよ』 荻原浩 ***

ままならない世の中で、必死に生きざるをえない人間(と幽霊)の可笑しみや哀しみを描いた、全9夜からなる短編集。玉石混交ですが、「押入れのちよ」と「しんちゃんの自転車」がよかったかな。怖いのはいい、汚いのないのは勘弁です。

『BAR追分』 伊吹有喜 ***

新宿三丁目交差点近く―かつて新宿追分と呼ばれた街の「ねこみち横丁」の奥に、その店はある。そこは、道が左右に分かれる、まさに追分だ。BAR追分。昼は「バール追分」でコーヒーやカレーなどの定食を、夜は「バー追分」で本格的なカクテルや、ハンバーグサ…

『巡査の休日』 佐々木譲 ***

神奈川で現金輸送車の強盗事件が発生し、犯人の一人に鎌田光也の名が挙がった。鎌田は一年前、ストーカー行為をしていた村瀬香里のアパートに不法侵入したところを小島百合巡査に発砲され、現行犯逮捕された。だが、入院中に脱走し指名手配されたまま一年が…

『ラプラスの魔女』 東野圭吾 **

彼女は計算して奇跡を起こす。東野圭吾が小説の常識をくつがえして挑んだ、空想科学ミステリ。(「BOOK」データベースより)SF要素の入ったミステリーでしょうかねえ。中身がタイトルに敗けてると思いました。あまりにも荒唐無稽すぎて笑うしかありません。S…

『蜜姫村』 乾ルカ ***

変種のアリを追って、東北の山村に迷い込んだ、東京の大学の講師で昆虫学者の山上一郎は、瀧埜上村の仮巣地区の人々に助けられ、命をとりとめた。翌年、山上は医師でもある妻の和子を説得し、一年間のフィールドワークのために、再び仮巣地区を訪れた。この…

『どこかでベートーヴェン』 中山七里 ***

ニュースでかつての級友・岬洋介の名を聞いた鷹村亮は、高校時代に起きた殺人事件のことを思い出す。岐阜県立加茂北高校音楽科の面々は、九月に行われる発表会に向け、夏休みも校内での練習に励んでいた。しかし、豪雨によって土砂崩れが発生し、一同は校内…

『暗幕のゲルニカ』 原田マハ ***

第155回直木賞候補作反戦のシンボルにして20世紀を代表する絵画、ピカソの“ゲルニカ”。国連本部のロビーに飾られていたこの名画のタペストリーが、2003年のある日、忽然と姿を消した…。大戦前夜のパリと現代のNY、スペインが交錯する、華麗でスリリングな美…

『防諜捜査』 今野敏 **

ついに、作業班への配属を任命された倉島。そんな折、ロシアの美人ホステス轢死事件が発生。警察は事故と自殺の両面で捜査を開始するが、事件はロシア人の殺し屋、オレグによる暗殺だという証言者が現れた。国益とプライドをかけた防諜戦争の行方は…。そして…

『十字の記憶』 堂場瞬一 **

新聞社の支局長として20年ぶりに地元に戻ってきた記者の福良孝嗣は、着任早々、殺人事件を取材することになる。被害者は前市長の息子・野本で、後頭部を2発、銃で撃たれるという残酷な手口で殺されていた。一方、高校の陸上部で福良とリレーのメンバーを組ん…

『アカガミ』 窪美澄 **

渋谷で出会った謎の女性・ロダに勧められ、ミツキは国が設立したお見合いシステム「アカガミ」に志願した。しかし、これまで異性と話すことすらなかった彼女にとって、“国”が教える恋愛や家族は異様なもので、パートナーに選ばれたサツキとの団地生活も不安…

『キング誕生 池袋ウエストゲートパーク青春篇』 石田衣良 *

誰にだって忘れられない夏の一日があるよな―。高校時代のタカシには、たったひとりの兄タケルがいた。スナイパーのような鋭く正確な拳をもつタケルは、みなからボスと慕われ、戦国状態だった池袋をまとめていく。だが、そんな兄を悲劇が襲う。タカシが仇を討…

『あばれ狼』 池波正太郎 ***

野州・真岡の小栗一家と竹原一家の大喧嘩にやとわれて人を殺めてしまった渡世人たち―その不幸な生い立ちゆえに敵・味方をこえて結ばれる男と男の友情を描く連作「さいころ蟲」「あばれ狼」「盗賊の宿」。多淫な母親の若き日の嘘によって翻弄され続けた樋口角…

『平成お徒歩日記』 宮部みゆき ***

あるときは赤穂浪士のたどった道、またあるときは箱根越え、お伊勢参りに罪人引廻し、島流しルートも。暑さにも寒さにも原稿締切にも病にも負けず、ミヤベミユキはひたすら歩く歩く―。怪しき道づれたちと繰り広げる珍道中記を読むと、あ~ら不思議、あなたも…

『辞書になった男 ケンボー先生と山田先生』 佐々木健一 ***

一冊の辞書(『明解国語辞典』)をともに作ってきた二人はなぜ決別したのか?なぜ一冊の辞書が二つ(『三省堂国語辞典』『新明解国語辞典』)に分かれたのか?―昭和辞書史最大の謎がいま、解き明かされる。NHKで放映された傑作ノンフィクション(ATP賞最優秀賞)。(…

『海の見える理髪店』 荻原浩 ***

伝えられなかった言葉。忘れられない後悔。もしも「あの時」に戻ることができたら…。母と娘、夫と妻、父と息子。近くて遠く、永遠のようで儚い家族の日々を描く物語六編。誰の人生にも必ず訪れる、喪失の痛みとその先に灯る小さな光が胸に染みる家族小説集。…

『うめ婆行状記』 宇江佐真理 ***

僅かな月日でも好きなように生きられたら―。北町奉行所同心の夫を亡くした商家出のうめは、気ままな独り暮らしを楽しもうとしていた矢先、甥っ子の隠し子騒動に巻き込まれ、ひと肌脱ぐことを決意するのだが…。笑って泣いて―“遺作”に込められた家族愛、そして…

『闇に香る嘘』 下村敦史 ***

27年間兄だと信じていた男は何者なのか?村上和久は孫に腎臓を移植しようとするが、検査の結果、適さないことが分かる。和久は兄の竜彦に移植を頼むが、検査さえも頑なに拒絶する兄の態度に違和感を覚える。中国残留孤児の兄が永住帰国をした際、既に失明して…

『羊たちの沈黙 (新潮文庫)』 トマス・ハリス 菊池 光 (翻訳) ***

FBIアカデミイの訓練生スターリングは、9人の患者を殺害して収監されている精神科医レクター博士から〈バッファロゥ・ビル事件〉に関する示唆を与えられた。バッファロゥ・ビルとは、これまでに5人の若い女性を殺して皮膚を剥ぎ取った犯人のあだ名である。「…

『リバース』 湊かなえ ***

深瀬和久は平凡を絵に描いたようなサラリーマンで、趣味らしいことといえばコーヒーを飲むことだった。その縁で、越智美穂子という彼女もできてようやく自分の人生にも彩りが添えられる。と思った矢先、謎の告発文が彼女に送りつけられた。そこにはたった一…