2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『元職員』 吉田修一 **

帰国後が気になりますが、どうなるのかなあ。『怒り』のようなパワーは本作にはなく何となく消化不良です。

『検察捜査』 中嶋博行 ***

第40回江戸川乱歩賞 良い意味で乱歩賞作品らしさがなくていい。本格ものは好きでは無いのでこんな変化球のほうがうれしい。警察小説風はいつ頃からなのかな、いろいろ難はあるのでしょうが満足しました。

『紫紺のつばめ―髪結い伊三次捕物余話』 宇江佐真理 **

シリーズを順に読んでみるかな。

『天使の囀り』 貴志祐介 ***

ウアカリはいろいろ想像させる姿ですね。そこからこんな面白く怖い話を紡ぎだす貴志祐介に脱帽です。こまかな疑問はあるのですが。『屍鬼』小野不由美となんとなく似ていると思いました。恐怖の質でしょうか。

『身の上話』 佐藤正午 ***

「書店員ミチルの身の上話」としてTVドラマになっていたんですね。なんとなく、読書スピードが上がらず時間がかかりました。つまらなくはなかったのですが。最後でがっかりするサスペンスやミステリーが多いと感じていたのですが、これは私は満足のエンデ…

『ソロモンの犬』 道尾秀介 **

始まりは期待十分でしたが、何となくライトノベルに近いなと。謎解きになると、これは……。 ほぼ道尾作品は読んだので一段落。新作に手が伸びるかどうか。

『たったひとり』 乾ルカ *

残念な読書になってしまいました。最後の章を書き直せばそこそこ面白い本になると思う。と勝手なことを考えてしまいました。

『いい音 いい音楽』 五味康祐 **

35年前のクラシック音楽とオーディオの案内本です。音楽については今読んでも面白いですが、オーディオは鰯の頭が大盛です。アンテナがサビると音質が(受信状態ではない)悪化するそうです。これなど、いまでも通用しそうな都市伝説?

『てふてふ荘へようこそ』 乾ルカ **

古い木造アパート、六部屋の住人と謎の同居人のドラマの連作集に、書き下ろしを追加した作品。追加した書き下ろしがどうだったのか、評価が分かれるように思いました。

『よるのふくらみ』 窪美澄 ***

デビュー作から期待を裏切らない作品を書きつづけてくれる作家の一人、今回は兄弟と幼なじみの女性、そして家族の話だが、相変わらず性の大胆な描写にドキッとさせられる。もちろん、それだけの小説ではありません。

『葉桜の季節に君を想うということ』 歌野晶午 *

期待が大きかった分、落胆もけっこうなレベルでした。本格ミステリーとしての評価は高いのでしょうが400ページを越える無駄な読書の疲れはダメージがでかい。思わせぶりなタイトルから受ける印象とかけ離れた軽い文章です。良かったのは「このミステリーがす…

『ミッドナイト・バス』 伊吹有喜 **

新潟案内かよ、とツッコミを入れたくなります。名物名所がかなり観光客向けです。同じようにベタな感動の押し売り気味なのが気になりました。確かにこれは本屋大賞向きですね。

『夢見族の冒険』 半村良 ***

久しぶりに半村良のほら話を堪能した。章のタイトルが伝説シリーズのタイトルになっていて思わずニヤリ。

『昭和の犬』 姫野カオルコ ***

『リアル・シンデレラ』に続いて、また唸ってしまった。キーワードは昭和、犬、間借りかな。ペンネームや受賞時のジャージ姿もですが、小説も独特の姫野カオルコワールドでした。

『沙高楼綺譚』 浅田次郎 ***

夜ごとにサロンで語られる奇譚という形式の短編集。どれも作り話の感じが付きまとっているので、読みながらも覚めてしまって話に入り込めない。「雨の夜の刺客」が中ではよかった。「立花新兵衛……」は「活動寫眞の女」の焼き直し?

『空の冒険』 吉田修一 ***

ANNのグループ機内誌に連載された短篇小説とエッセイ。長編の「吉田修一」ではない、さらさら読める作品集かな、機内誌なので軽いタッチ。

『ええもんひとつ―とびきり屋見立て帖』 山本兼一 **

シリーズ物なので、そこそこ面白いはずと読んでみた。がこれ一冊で十分でした。暇つぶしにはなるので他の本も読むかも。読みたいという欲求はないが、読んだことを後悔しない程度。

『鬼の跫音』 道尾秀介 ***

ミステリーの要素を含んだホラーの短編集(六編)。ホラー要素を含んだミステリーなら良かったのにと思いました。佳作ぞろいですが、傑作短編集とまではは思えませんでした。『向日葵の咲かない夏』を読んだことで集中して道尾作品をと思い読んできたのです…

『ジャンプ』 佐藤正午 ***

本の雑誌2000年度ベスト10、1位ということで読みました。ミステリーと思って読んでいたのですが殺人や盗難といった犯罪は起こりません。恋愛小説としては、さっと読むと登場人物が燃え上がるような恋をしているようでもなく、どちらにしても不満が出る読者が…

『風雲ジャズ帖』 山下洋輔 **

さすがに古い。それに寄せ集めて1冊にしているので、この後の名エッセイと比較すると、どうしても点数は低くなってしまいます。ただこれが無いと次は無かったので貴重な本です。1975年だもの。

『小説日本婦道記』 山本周五郎 ***

タイトルから何となく避けていた一冊です。直木賞に推薦されながら辞退したことを知り読んでみました。女性誌に連載された中から選んでまとめられた短篇集です。題名も内容も誤解を受け易いと思いますし、実際作者の意図とはかけ離れた批判も在った様ですね。…

『ガール』 奥田英朗 **

レビューでは比較的評価は高いのですが、女性のレビューが多かったのかなあ。女性ならば共感できる短編集なのでしょうか。どの短篇も同じようで、「どれか一編を読めばそれでいいようだ」という悪口を書きたくなりました。上手いのですがねえ、残念な読書に…

『ランドマーク』 吉田修一 ***

『路』が過去への物語とすると、『ランドマーク』は未来の不安への物語かな。先が見えないまま小説は終ってしまいます。

『熱帯魚』 吉田修一 ***

『熱帯魚』『グリンピース』『突風』の短編集で、まわりにいたら迷惑だなあという男が主人公です。物語はぽーんと放り投げるようにして終わります。何かを期待して読むと裏切られた気がする作品ですが、読後感は悪くはありません。

『魔女は甦る』 中山七里 **

例によって、お得意のバラバラ死体からはじまる。推理小説風の謎解きを期待すると、えー、そっちかよという展開で……絶句。 Amazonのレビューを読んでも、この作者の本の中では最低評価本かなあ、やっぱり。

『警視庁心理捜査官』 黒崎視音 ***

デビュー作とは思えない出来で楽しめたが、心理操作官というより女性捜査官としての展開がメインですね。上下巻の文庫も最後のほうで、まさかこんな単純な結末ではないよなという着地。まあそれでもいいかな、おもしろかったから。

『てのひらに爆弾を』 黒武洋 **

すべてに無理な展開をどうまとめるのかと読み進めていくと、意外な展開に、なるほどそれを持ってきたかと、動機は納得。でもねえ、一ヶ月で新製品を市場とか、どう考えても無理だなあ。といろいろあり得ないことが重なって残念。