『紅蓮の雪』 遠田 潤子 ***

 

紅蓮の雪

紅蓮の雪

  • 作者:遠田 潤子
  • 発売日: 2021/02/05
  • メディア: 単行本
 

 

伊吹の双子の姉・朱里は20歳の誕生日を向かえた日、なんの前触れもなく自殺した。朱里の遺品の中から大衆演劇「鉢木座」の半券が見つかり、それが死ぬ前の最後の足取りであることを知った伊吹は、少しでも真相に迫るべく一座の公演に行った。公演後、座長に詰め寄る伊吹の姿を見た若座長の慈丹は、その容姿を見初め、入団を強く進めた。伊吹は何か手がかりが掴めるのではと入団を決意し、以降、訓練と舞台に追われながらも、「女形」としての人気も得始めていた。そんなある日、ひょんなことから両親と鉢木座との繋がりが露見することに。それは鉢木座の過去に秘められた禁断の事実だった……。血脈に刻まれた因縁、人間の最果てと再生を描いた問題作。

 

 ゲップが出るくらいの遠田ワールドでした。まあ面白いので一気読みでしたが、この大衆演劇とか歌舞伎などは苦手なのでついて行くのが大変かなあと。

 

2021-014

 

『青田波 新・酔いどれ小籐次(十九)』 佐伯 泰英 **

 

青田波 新・酔いどれ小籐次(十九) (文春文庫)

青田波 新・酔いどれ小籐次(十九) (文春文庫)

 

江戸で有名な盗人「鼠小僧」は自分だ、とついに明かした子次郎。忍び込んだ旗本の屋敷で出会った盲目の姫君を救って欲しい、と小藤次に頼む。姫を側室にと望んでいるのは、大名・旗本の官位を左右する力を持つ高家肝煎の主で、なんと「幼女好み」と噂のある危険な人物だという…懐剣を携え悲壮な決意をする姫を毒牙から守れるか。 (「BOOK」データベースより)

 

 

2021-013

 

『元彼の遺言状』 新川 帆立 ***

 

本年度の第19回『このミステリーがすごい! 』大賞受賞作は、金に目がない凄腕女性弁護士が活躍する、遺産相続ミステリー! 「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」という奇妙な遺言状を残して、大手製薬会社の御曹司・森川栄治が亡くなった。学生時代に彼と3か月だけ交際していた弁護士の剣持麗子は、犯人候補に名乗り出た栄治の友人の代理人として、森川家の主催する「犯人選考会」に参加することとなった。数百億円とも言われる財産の分け前を獲得するべく、麗子は自らの依頼人を犯人に仕立て上げようと奔走する。一方、麗子は元カノの一人としても軽井沢の屋敷を譲り受けることになっていた。ところが、避暑地を訪れて手続きを行なったその晩、くだんの遺書が保管されていた金庫が盗まれ、栄治の顧問弁護士であった町弁が何者かによって殺害されてしまう――。

 

 読みやすく、どんどんページが進んでいきます。主人公や主要人物の性格もキャラが立っていて引き込まれていくのですが、突然次作は無しだなと思ってしまいました。何故かなあ。読み終わった感想は「頭」では感心しても「ハート」には響かないかな。

 

2021-012

 

『天保悪党伝』 藤沢 周平 *

 

天保悪党伝 (新潮文庫)

天保悪党伝 (新潮文庫)

 

天保年間の江戸の町に、極めつきのワルだが、憎めぬ連中がいた。博打好きの御家人・片岡直次郎、辻斬りで財布を奪う金子市之丞、抜け荷の常習犯・森田屋清蔵、元料理人の悪党・丑松、ゆすりの大名人として知られた河内山宗俊、そして吉原の花魁・三千歳。ひょんなきっかけで知り合った彼らが、大胆にも挑んだ悪事とは…。世話講談「天保六花撰」に材を得た痛快無比の連作長編。 (「BOOK」データベースより)

 

合わない作家NO1かな?多分藤沢さんが真面目すぎるのだろう。

 

2021-011

 

『雪に撃つ』佐々木 譲 ***

雪に撃つ

雪に撃つ

  • 作者:佐々木譲
  • 発売日: 2020/12/15
  • メディア: 単行本
 

翌日からの雪まつりを楽しむため世界中から観光客が押し寄せ沸き立つ札幌。北海道警察本部大通署の佐伯宏一は部下の新宮とともに自動車窃盗現場に向かっていた。その頃署内では、生活安全課少年係の小島百合が釧路から家出した少女が札幌に向かっているという電話を受けた。一方、機動捜査隊の津久井卓は住宅街で起こった発砲事件の現場に向かっていた。これら複数の事件は、やがてもつれ合いながら、雪まつりを舞台に激化していく―。 (「BOOK」データベースより)

 

せっかくの道警シリーズなのに、ちょっとマンネリ?

 

2021-010

『ワンダフル・ライフ』 丸山 正樹 ***

 

ワンダフル・ライフ

ワンダフル・ライフ

  • 作者:丸山 正樹
  • 発売日: 2021/01/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

事故で重度の障害を負った妻(49)を自宅で介護している「わたし」(50)。なんのために、こんなにも自由のない生活を続けているのか……「わたし」の物語と、さまざまな悩みを抱える男女の物語が絡み合い、繋がるとき、慟哭の真実が明かされる――

 

内容から読むかどうか、迷ったのですが読んで良かったです。複数の話が進行する形式がいろんな意味で良かったかなあ。

 

2021-009

 

『累々』 松井 玲奈 ***

 

累々

累々

  • 作者:松井 玲奈
  • 発売日: 2021/01/26
  • メディア: 単行本
 

 本当の私は誰。
結婚、セフレ、パパ活、トラウマ……。不穏さで繋がる全5編。
たくらみに満ちた、著者の新境地。

 

一作目『カモフラージュ』は飛び道具ぽかったが、本作はしかけはあるものの正統派。これで自作も読むことになりそう。

 

2021-008