2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『遺文: 吉原裏同心(二十一) 』 佐伯泰英 ***

吉原会所の頭取・四郎兵衛の傷がようやく癒えた折り、またも吉原が「脅威」にさらされた。吉原裏同心の神守幹次郎は、いまだ復調ならぬ四郎兵衛に伴って、吉原の秘された過去の「遺文」があるとされる鎌倉へ。そこで彼らを待ち受けていたのは過去最強の刺客…

『朱印―古着屋総兵衛影始末〈第6巻〉』 佐伯泰英 ***

川越から甲府に転封となった柳沢吉保は、武田信玄の昔に勇名を馳せた赤備えの騎馬軍団、武川衆を復活させた。甲府のきな臭い動きに柳沢との全面戦争を覚悟した総兵衛は、信之助、おきぬと共に自ら甲府に探索に入った。やがて甲府城に潜入、柳沢父子の恐るべ…

『枕絵 吉原裏同心(七) 』 佐伯泰英 ***

吉原名物・玉菊灯篭を舞台にした殺しが一件落着し、神守幹次郎は、会所の御用で陸奥白河へ旅立つ。田沼意次失脚後、老中首座となった松平定信の領地である。そこには吉原が定信に贈った女性(お香様)がおり、田沼派の残党が狙っていた。幹次郎一行は、奇策を…

『熱風―古着屋総兵衛影始末〈第5巻〉』 佐伯泰英 ***

突如伊勢詣でが流行しはじめた。大黒屋小僧の丹五郎、恵三、栄吉の三人も抜け参りで店から消えた。一方、総兵衛の手に渡るはずの神君拝領の鈴が届かなかった。「栄吉が持ち出したのか?」鳶沢一族の存亡を賭けて総兵衛は作次郎、稲平を伴い東海道を西上する。…

『停止―古着屋総兵衛影始末〈4〉』 佐伯泰英 ***

名優団十郎が殺された。この日、総兵衛は彼の相談を受けるはずだったのだ。一方、鳶沢村の駿府丸が乗組員・積み荷ともども消えた。さらに、総兵衛と笠蔵は北町奉行所に新物販売の廉で捕らえられ、大黒屋は商停止の沙汰を受ける。総兵衛への拷問は苛烈を極め…

『流鶯: 吉原裏同心(二十五)』 佐伯泰英 ***

吉原会所に突然、「裏同心」を希望する女性が現れた。十八歳と若い「女裏同心」に戸惑う吉原裏同心の神守幹次郎と会所の面々。一方、札差の伊勢亀半右衛門が重篤な病に罹り、幹次郎は遺言を託される。遺言には、薄墨太夫にかかわる衝撃の内容が書かれていた―…

『盤上の向日葵』 柚月裕子 **

埼玉県天木山山中で発見された白骨死体。遺留品である初代菊水月作の名駒を頼りに、叩き上げの刑事・石破と、かつてプロ棋士を志していた新米刑事・佐野のコンビが捜査を開始した。それから四か月、二人は厳冬の山形県天童市に降り立つ。向かう先は、将棋界…

『四十九日のレシピ』 伊吹有喜 ***

熱田家の母・乙美が亡くなった。気力を失った父・良平のもとを訪れたのは、真っ黒に日焼けした金髪の女の子・井本。乙美の教え子だったという彼女は、生前の母に頼まれて、四十九日までのあいだ家事などを請け負うと言う。彼女は、乙美が作っていた、ある「…

『狐舞: 吉原裏同心(二十三)』 佐伯泰英 ***

吉原裏同心の神守幹次郎に、かつて出奔した豊後岡藩から復藩の話が舞い込む。突然の話に訝る幹次郎だったが、そんな折り、吉原に出店を持つ呉服屋の主が殺された。探索を続けるや、名門旗本の存在がちらつき、背後には吉原乗っ取りを狙う新たな企てが浮かび…

『夢幻: 吉原裏同心(二十二)』 佐伯泰英 ***

さまざまな人生が交錯する吉原。その吉原で生計をたてていた按摩の孫市が殺害された。探索に乗り出した吉原会所の裏同心・神守幹次郎は調べを進めるうち、孫市の不遇な生い立ちと、秘めていた哀しき夢を知る。孫市の夢を幻にした下手人とはいったい―。ようや…

『抹殺―古着屋総兵衛影始末〈3〉』 佐伯泰英 ***

大目付本庄伊豆守家の神君家康公下賜の家宝が忽然と消えた。相談を受けた総兵衛は、伊豆守失脚を狙った陰謀と見抜く。一方、何者かによって総兵衛の愛する幼馴染みの千鶴が凌辱の上、惨殺された。千鶴は総兵衛の子を身篭もっていたのだ。憤怒の鬼と化した総…

『死闘!―古着屋総兵衛影始末〈1〉』 佐伯泰英 ***

元和二年、死の床にあった大御所家康は秘密裏に元西国浪人の鳶沢成元を呼び、表向きは代々古着問屋・大黒屋総兵衛として、裏では徳川家護持のため影旗本としての勤めを果たすように命じ、書付と愛刀三池典太を与えた―。時を経ること八十余年、元禄十四年、闇…

『異心―古着屋総兵衛影始末〈第2巻〉』 佐伯泰英 ***

赤穂浪士を斬れ。〈影〉からの指令に総兵衛は苦悩する。喧嘩両成敗の原則に反する幕閣の命に義はあるのか。一方、狂犬の如く大黒屋に復讐心を燃やす隆円寺真悟は、柳生連也斎の庶子宗秋を首領に戴く剣客軍団を大和柳生に興した。軍団は徐々に東海道を下る。…

『韓国併合への道 完全版』 呉善花 ***

戦後67年を迎えても、いまだに日韓両国の喉元には「歴史問題のトゲ」が刺さっています。両国で大きな反響を呼び、ロングセラーとなった『韓国併合への道』から12年。日本国籍を得た著者が、新たな立場で、併合後の社会・経済・文化の発展と戦後韓国の反日政…

『フォークロアの鍵』 川瀬七緒 ***

千夏は民俗学の「口頭伝承」を研究する大学院生。老人の“消えない記憶”に興味を持ち、認知症グループホーム「風の里」を訪れた。入所者の一人・ルリ子は、夕方になるとホームからの脱走を図る老女。会話が成り立たない彼女の口から発せらせた「おろんくち」…

『私のレコード棚から (〔正〕)』 福永陽一郎 **

最近、気になっているロリン・マゼールの項を読みたくて図書館本。 2017-150

『黒面の狐』 三津田 信三 *

戦後まもない北九州の炭鉱で起きた、不可解な連続怪死事件。現場に現れた黒面の狐は、人なのか、人にあらざるものなのか?炭鉱で働く屈強な男たちの心を、次第に疑いと恐怖が蝕んでいく。真相を知るのはただ、ヤマの神と、黒面の狐のみ…?ホラーミステリーの名…

『いつかパラソルの下で』 森絵都 **

病的なまでに潔癖で、傍迷惑なほど厳格だった父。四十九日の法要が近づいたこ、私は父の生前の秘密を知ってしまう。大人たちの世界を瑞々しい筆致で綴ったハートウォーミング・ストーリー。(「BOOK」データベースより) これをハートウォーミングというのか…

『検察側の罪人』 雫井脩介 ***

東京地検のベテラン検事・最上毅と同じ刑事部に、教官時代の教え子、沖野啓一郎が配属されてきた。ある日、大田区で老夫婦刺殺事件が起きる。捜査に立ち会った最上は、一人の容疑者の名前に気づいた。すでに時効となった殺人事件の重要参考人と当時目されて…

『髪結: 吉原裏同心(二十)』 佐伯泰英 ***

吉原裏同心の神守幹次郎に女髪結のおりゅうが相談をもちかけた。妹のおきちが不審な者に狙われているのだという。おきちの警固に動いた幹次郎だったが、それがとんでもない騒動の幕開けだった。そして、次に狙われたのは、「吉原の主」ともいえる人物・四郎…