2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『悲愁の剣―長崎絵師通吏辰次郎』 佐伯泰英 **

長崎代官の季次家が抜け荷の罪で没落―。季次家を主家と仰ぎ、今は海外放浪の身にある南蛮絵師・通吏辰次郎はその報せに接し、急ぎ帰国するが当主・茂智、茂之父子や、茂之の妻であり辰次郎の初恋の人でもあった瑠璃は、何者かに惨殺されていた。お家再興のた…

『籠の鸚鵡』 辻原登 **

欲望と殺意の果てに現れる、むき出しの人間の姿。迫真のクライム・ノヴェル。ヤクザ、ホステス、不動産業者、町役場の出納室長。欲望と思惑は複雑に絡み合い、互いを取り返しのつかない地点へと追い詰める。情事と裏切り、そして二つの巧妙な殺人の後、彼ら…

『合理的にあり得ない 上水流涼子の解明』 柚月裕子 **

「殺し」と「傷害」以外、引き受けます。美貌の元弁護士が、あり得ない依頼に知略をめぐらす鮮烈ミステリー! (「BOOK」データベースより)さくさく読めるのは良いのか悪いのか、一番気になったのは本のタイトルで、違和感というか気になってしまって日本語…

『花を呑む』 あさのあつこ ***

心が動かなくても人を殺れる。それが、おぬしの正体さ。同心、木暮信次郎、商人、遠野屋清之介、思わず息を潜めてしまう、因縁の二人。とろりと甘い匂い、口から溢れる深紅の牡丹、妾に怨み殺された男の怪異に挑む。 (「BOOK」データベースより)伊佐治の家…

『ストロベリーライフ』 荻原浩 ***

直木賞受賞第一作の最新長編小説。 明日への元気がわいてくる人生応援小説! 農業なんてかっこ悪い。と思っていたはずだった。 イチゴ農家を継げと迫る母親。猛反対の妻。 志半ばのデザイナーの仕事はどうする!? 夢を諦めるか。実家を捨てるか。 恵介36歳、い…

『盤上のアルファ』 塩田武士 ***

真田信繁三十三歳。家なし、職なし、目標・プロ棋士。とてつもなく迷惑な男が巻き起こすかつてなく熱い感動の物語。第五回小説現代長編新人賞選考会満場一致の完全受賞作。 (「BOOK」データベースより)おもしろいのだが、将棋界に詳しくないほうが楽しめる…

『敵の名は、宮本武蔵』 木下昌輝 ***

自らの命と引き替えに、その強さを知った―剣聖と呼ばれた男の真の姿とは―。7人の敗者たちから描く、著者渾身の最新歴史小説。 (「BOOK」データベースより)五冊目。はずれの無い作家さんの一人木下さん、今回も仕掛けがこっています。タイトルのように武蔵…

『黒い迷宮: ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実』 リチャードロイドパリー ***

あの蒸し暑い夏の夜、彼女は東京の路上から永遠に消えた――。 2000年7月、六本木でホステスとして働いていた元英国航空の客室乗務員ルーシー・ブラックマン(21)が、突然消息を絶った。失踪当初から事件を追い続けた英紙《ザ・タイムズ》の東京支局長が、日英…

『水槽の中の女 (novella*1200)』 勝目梓 **

死期迫る男が書いた妻への忘執の記。男は20年間胸に秘めてきた出来事をノートに綴り始めた。それが妻への特異な形の深い愛情の吐露だと信じて。始まりは、学生時代に経験した年上の女との奇妙なセックスだった…。 (「BOOK」データベースより)可もなく不可…

『焚き火大全』 編集 **

焚き火の技術、燃材・道具、伝承文化、用途などを紹介。火と人間の歴史、焚き火の種類と分類、材料と道具、技術と法則、焚き火のクッキング、環境教育、文芸と絵画などについて論じ、焚き火の魅力、醍醐味に迫る。 (「BOOK」データベースより)大全と言うが…

『コンテクスト・オブ・ザ・デッド』 羽田圭介 *

編集者の須賀は作家と渋谷で打ち合わせ中、スクランブル交差点で女の子を襲うゾンビを目撃する。各地で変質暴動者=ゾンビの出現が相次ぐ中、火葬されたはずの文豪たちまで甦り始め…。デビュー10年目の極貧作家K、久しぶりに小説を発表した美人作家の桃咲カヲ…

『雪の鉄樹』 遠田潤子 ***

母は失踪。女の出入りが激しい「たらしの家」で祖父と父に育てられた庭師の雅雪は、両親を失った少年、遼平の世話をしてきた。しかし遼平の祖母は雅雪に冷たく当たり続ける。雅雪も、その理不尽な振る舞いに耐える。いったい何故なのか?そして14年前、雅雪が…

『猿の見る夢』 桐野夏生 **

これまでで一番愛おしい男を描いた――桐野夏生自分はかなりのクラスに属する人間だ。 大手一流銀行の出身、出向先では常務の席も見えてきた。実家には二百坪のお屋敷があり、十年来の愛人もいる。 そんな俺の人生の歪(ひず)みは、社長のセクハラ問題と、あの…

『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』 丸山正樹 ***

仕事と結婚に失敗した中年男・荒井尚人。今の恋人にも半ば心を閉ざしているが、やがて唯一つの技能を活かして手話通訳士となる。ろう者の法廷通訳を務めていたら若いボランティア女性が接近してきた。現在と過去、二つの事件の謎が交錯を始め…。マイノリティ…

『ぼっけえ、きょうてえ』 岩井志麻子 ***

日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞受賞作、待望の文庫化!岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始める。間引き専業の産婆を母にもち、生まれた時から赤ん坊を殺す手伝いをしていた彼女の人生は、血と汚辱にまみれた地獄道だった…。 (「BOOK」デー…

『侮日論 「韓国人」はなぜ日本を憎むのか』 呉善花 ***

「日本人は侮辱に価する民族」―。古く14世紀から、そう考えてきたという朝鮮半島。実は「日帝による植民地支配」が反日韓国の起源ではないのである。反日少女から転じて日本に帰化した著者ならではの視点で、多角的に「侮日」文化の歴史を掘り下げる。 (「B…