2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『くろふね』 佐々木譲 ***

黒船来る!嘉永六年(1853)六月、ペリー提督率いる四隻の艦隊が浦賀に来航、幕府に開国を迫った。尻ごみする浦賀奉行の代役としてペリーとの交渉にあたったのは、同奉行組与力・中島三郎助。日本人として初めて黒船に乗り込んだ三郎助は西洋の新しい技術に触れ…

『水曜の朝、午前三時』 蓮見圭一 ***

四十五歳の若さで逝った女性翻訳家が、娘のために遺した四巻のテープ。そこに語られる無惨な恋、許されぬ過去、そして「ひとつの死」。誰もが何かを探していたあの時代が、鮮やかによみがえる。追憶の光と影、切なさと歓びに涙がとまらない、感動の告白小説…

『夕映え』 宇江佐真理 ***

江戸の本所に「福助」という、おでんが評判の縄暖簾の店があった。女将のおあきは、元武士で岡っぴきの亭主と息子の良助、娘のおてい、そして常連客たちに囲まれて、つつましいが、幸せな暮らしをしていた。しかし、江戸から明治に代わる時代の大きな潮流に…

『納豆の快楽 (The New Fifties)』 小泉武夫 ***

全国の納豆ファンが待っていた納豆先生のカラシの効いた納豆節。(「BOOK」データベースより)最後のドリンクをのんでみたい。2018-007

『生きるぼくら』 原田マハ ***

いじめから、ひきこもりとなった二十四歳の麻生人生。頼りだった母が突然いなくなった。残されていたのは、年賀状の束。その中に一枚だけ記憶にある名前があった。「もう一度会えますように。私の命が、あるうちに」マーサばあちゃんから?人生は四年ぶりに外…

『芸能人と文学賞 〈文豪アイドル〉芥川から〈文藝芸人〉又吉へ』 川口則弘 **

お笑いタレント・俳優・歌手・キャスター・放送作家・落語家・ポルノ女優、文学と“深く”関わり、文学賞を目指した「文藝芸人」たち。(「BOOK」データベースより) 労作の直木賞のホームページと比較すると、表層を撫でてみました感が残念。web ページでは好…

『ひたすら面白い小説が読みたくて』 児玉清 **

芸能界きっての読書家として知られた著者が、東西のミステリーから時代小説まで、四十二作品を取りあげ、思わず引き込まれる語り口で紹介する。作家への敬意と、物語への愛が溢れるブックガイド。 (「BOOK」データベースより) こまったな、読みたい本が増…

『京の絵草紙屋満天堂 空蟬の夢』 三好昌子 ***

侍としての名前と過去を捨て、京で暮らす戯作者・月夜乃行馬。懇意にする板元の満天堂書林で京の名所図会を執筆する行馬は、女絵師の冬芽が描く、哀しき想いを秘めた美しい絵に惹かれていく。同じ頃、行馬の仲間だった侍たちが、行馬が持っているはずの妖刀…

『機龍警察 暗黒市場 (ミステリ・ワールド)』 月村了衛 **

警視庁との契約を解除されたユーリ・オズノフ元警部は、旧知のロシアン・マフィアと組んで武器密売に手を染めた。一方、市場に流出した新型機甲兵装が“龍機兵(ドラグーン)”の同型機ではないかとの疑念を抱く沖津特捜部長は、ブラックマーケット壊滅作戦に着…

『ミステリークロック』 貴志祐介 *

犯人を白日のもとにさらすために――防犯探偵・榎本と犯人たちとの頭脳戦。様々な種類の時計が時を刻む晩餐会。主催者の女流作家の怪死は、「完璧な事故」で終わるはずだった。そう、居あわせた榎本径が、異議をとなえなければ……。表題作ほか、斜め上を行くト…