2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『室町無頼』 垣根涼介 **

腐りきった世を変えてやる。前代未聞のたくらみを一本の六尺棒で。超絶クールな大傑作エンタテインメント。応仁の乱前夜、富める者の勝手し放題でかつてなく飢える者に溢れ返った京の都。ならず者の頭目ながら骨皮道賢は権力側に食い込んで市中警護役を任さ…

『壁の男』 貫井徳郎 *

ある北関東の小さな集落で、家々の壁に描かれた、子供の落書きのような奇妙な絵。その、決して上手ではないが、鮮やかで力強い絵を描き続けている寡黙な男、伊苅(いかり)に、ノンフィクションライターの「私」は取材を試みるが…。寂れかけた地方の集落を舞台…

『沈黙法廷』 佐々木譲 ***

東京・赤羽。絞殺死体で発見されたひとり暮らしの初老男性。親譲りの不動産を所有する被害者の周辺には、多くの捜査対象が存在する。地道な鑑取り捜査の過程で、家事代行業の女性が浮上した。しかし彼女の自宅に赴いた赤羽署の捜査員の前に、埼玉県警の警察…

『オムライス日和 BAR追分』 伊吹有喜 ***

有名電機メーカーに勤める菊池沙里は、大学時代にゼミで同期だった宇藤輝良と再会する。卒業して五年、宇藤は「ねこみち横丁振興会」の管理人をしながら、脚本家になる夢を追い続けているという。数日後、友人の結婚式の二次会後に、宇藤がよくいるというね…

『漂う子』 丸山正樹 ***

恋人の教え子・紗智を探すことになった直。少女の背後に広がる「居所不明児童」という社会の闇を知るなかで、彼は自らの過去に対峙し、未来への決断を迫られる…。親と子のありかたを問う物語。 (「BOOK」データベースより)表現が暴走すること無く、抑制の…

『リーチ先生』 原田マハ **

日本の美を愛し続けた英国人陶芸家、バーナード・リーチ。明治42年、22歳で芸術の道を志して来日。柳宗悦、濱田庄司ら若き日本人芸術家との邂逅と友情が彼の人生を大きく突き動かしていく。明治、大正、昭和にわたり東洋と西洋の架け橋となった生涯を描く感…

『犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼』 雫井脩介 ***

警察、犯人、被害者家族―前代未聞の騙し合いが始まる!巧妙に仕組まれた“誘拐ビジネス”。神奈川県警を嘲笑うかのような闇の犯行に、異色の捜査官・巻島史彦警視が再び立ち向かう。累計135万部突破の大ヒット警察小説、待望の第2弾! (「BOOK」データベースよ…

『四十八人目の忠臣』 諸田玲子 **

愛する磯貝十郎左衛門と浪士たちのため、討ち入りを影から助け、その後、浪士の遺族の赦免、赤穂浅野家再興を目指し、将軍家に近づいた実在の女性。浪士と将軍に愛された女性。 (「BOOK」データベースより)設定にやはり無理があるような。まあ小説としては…

『食堂かたつむり』 小川 糸 *

同棲していた恋人にすべてを持ち去られ、恋と同時にあまりに多くのものを失った衝撃から、倫子はさらに声をも失う。山あいのふるさとに戻った倫子は、小さな食堂を始める。それは、一日一組のお客様だけをもてなす、決まったメニューのない食堂だった。 (「…

『マカン・マラン - 二十三時の夜食カフェ』 古内一絵 *

ある町の路地裏に元超エリートのイケメン、今はドラッグクイーンが営むお店がある。そこには様々な悩みをもつ人が集まってきて? (「BOOK」データベースより)『十六夜荘ノート』に続いて読みましたが、残念。

『潮騒のアニマ 法医昆虫学捜査官』 川瀬七緒 ***

法医昆虫学者・赤堀は、遺体に「昆虫相」がないことに目を留めた。乱歩賞作家の大人気・警察ミステリーシリーズ最新作。 (「BOOK」データベースより)アカカミアリはヒアリの別名かと思って読んでいました。調べたらアカカミアリが学名でした。最後がすこし…

『私は存在が空気』 中田永一 **

存在感を消してしまった少女。瞬間移動の力を手に入れた引きこもり少年。危険な発火能力を持つ、木造アパートの住人…どこかおかしくて、ちょっぴり切ない、超能力者×恋物語。恋愛小説の名手が描く、すこし不思議な短編集。 (「BOOK」データベースより)湊か…

『すみなれたからだで』 窪美澄 **

無様に。だけど、私はまだ生きているのだ。焼夷弾が降る戦時下、喧騒に呑まれる八十年代、そして黄昏ゆく、いま。手探りで生きる人々の「生」に寄り添う8つの物語。 (「BOOK」データベースより)『さよなら、ニルヴァーナ』で窪さんは読み納めと思ったので…

『梅もどき』 諸田玲子 ***

太閤秀吉の従弟として北ノ庄城を預かる青木勘七は関ヶ原の戦いで西軍につき敗北。その愛娘・お梅は父を案じつつ、明日をも知れぬ逃亡生活を余儀なくされていた。そんなある日、自分が徳川家の血縁でもあると知る。さらに、敵将・家康の側妾となる話が持ち上…

『ヴァラエティ』 奥田 英朗 **

迷惑、顰蹙、無理難題。人生、困ってからがおもしろい。脱サラで会社を興した38歳の社長、渋滞中の車にどんどん知らない人を乗せる妻、住み込みで働く職場の謎めいた同僚…。著者お気に入りの短編から、唯一のショートショート、敬愛するイッセー尾形氏、山田…