2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『地下鉄(メトロ)に乗って』 浅田次郎 ***

永田町の地下鉄駅の階段を上がると、そこは30年前の風景。ワンマンな父に反発し自殺した兄が現れた。さらに満州に出征する父を目撃し、また戦後闇市で精力的に商いに励む父に出会う。だが封印された“過去”に行ったため……。思わず涙がこぼれ落ちる感動の浅田…

『金春屋ゴメス』 西條奈加 **

300倍の難関を潜り抜け、日本から江戸国へ入国を果たした大学生の辰次郎。連れは、元外資系金融勤務の時代劇オタク松吉(NY出身・24歳)&28ケ国を渡り歩いた海外旅行マニアの奈美(25歳)。身請け先は、容貌魁偉、冷酷無比、極悪非道、厚顔無恥、大盗賊も思わず…

『棋士とAIはどう戦ってきたか~人間vs.人工知能の激闘の歴史』 松本博文 **

二〇一七年四月一日、現役タイトル保持者が、はじめてコンピュータ将棋ソフトに敗れた。AI(人工知能)が、ついに人間の王者を上回ったのだ。それは予想だにしない奇跡だったのか、それとも必然だったのか?コンピュータ将棋の開発が始まってから四十年あまり、…

『剣と十字架-空也十番勝負 青春篇』 佐伯泰英 ***

人吉城下のタイ捨流丸目道場での修行を終えた坂崎空也は、仇討ちを企む薩摩の東郷示現流・酒匂兵衛入道一派の刺客から逃れるため、五島列島の福江島へと向かった。平和な島で剣術稽古に励んでいたが、そこにも刺客は忍び寄り、空也はさらに北へ、隠れ切支丹…

『恨み残さじ-空也十番勝負 青春篇』 佐伯泰英 ***

直心影流の達人・坂崎磐音の嫡子空也は十六歳で武者修行に出た。最初の地、薩摩での修行を終えた空也は肥後国へと戻る。人吉城下にあるタイ捨流丸目道場の門を再び叩いた空也は、山修行を思い立ち、平家落人伝説が残る秘境・五箇荘へと向かう。その頃、薩摩…

『快楽の封筒』 坂東 眞砂子 ***

ためらう舌が熱い吐息にかわるとき。今、ここで。川の畔で。草叢で。ほとばしる愛欲と忘我の営み。性の極みを描く傑作官能小説集。(「BOOK」データベースより) 男のエロスと女のそれは違ってるなあと。2018-106

『故郷はなきや: 新・古着屋総兵衛 第十五巻』 佐伯泰英 ***

鳶沢信一郎率いる交易船団がようやく越南に到着した。一行は政変時に離れてしまった総兵衛の母親今坂恭子の安否確認に総力を挙げる。一方、江戸では、丹石流の剣を遣う手練れの浪人筑後平十郎が総兵衛暗殺の刺客を請け負ったとの情報がもたらされた。平十郎…

『機巧のイヴ』 乾緑郎 ***

天府城に拠り国を支配する強大な幕府、女人にだけ帝位継承が許された天帝家。二つの巨大な勢力の狭間で揺れる都市・天府の片隅には、人知を超えた技術の結晶、美しき女の姿をした“伊武”が存在していた!天帝家を揺るがす秘密と、伊武誕生の謎。二つの歯車が回…

『仮面の君に告ぐ』 横関大 ***

涌井和沙は、気がつくと病院のベッドにいた。戸惑ううちに、「モリさん、目が覚めたんですね」と看護師から声をかけられる。鏡をのぞいた和沙は驚愕する。そこに映っていたのは赤の他人―森千鶴だった。パニックになった和沙は、恋人の早田慎介を頼ろうとする…

『秋霖やまず: 吉原裏同心抄(三) 』 佐伯泰英 ***

浅草御蔵前で、亡き先代伊勢亀に代わる札差の新筆頭行司がなかなか決まらない。父の跡を継いでの就任を固辞する伊勢亀の当代半右衛門の元に、不可解な企てとも取れる文が届き、幹次郎は危ぶむ。巨額の富と莫大な権力を手にする筆頭行司の座を巡り、長い秋雨…

『英国一家、ますます日本を食べる』 マイケル・ブース **

ブース一家よ、何処へゆく。終わらない怒涛の“食”大冒険。ウニ、カツオ、鮨、MSG、しゃぶしゃぶ、すき焼き、干し貝柱、醤油、和三盆糖、フグ、泡盛、ウミブドウ、豆腐よう、イラブー汁、塩、などなど一家で挑戦。(「BOOK」データベースより) なにやら、や…

『そして、バトンは渡された』 瀬尾まいこ ***

そして、バトンは渡された作者: 瀬尾まいこ出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2018/02/22メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (3件) を見る血の繋がらない親の間をリレーされ、四回も名字が変わった森宮優子、十七歳。だが、彼女はいつも…

『元禄お犬姫』 諸田玲子 ***

中野で犬小屋支配の助役を勤める森橋家の娘・知世は、母の療養のため、祖父、弟ともども小石川の剣術稽古場・堀内家の離れに移り住む。彼女は、どんな犬でも手なずけてしまうことから「お犬姫」と呼ばれている。家族や道場の人びととの語らい、仇を追う浪人…

『英国一家、日本を食べる』 マイケル・ブース **

市場の食堂から隠れた超名店まで、ニッポンの味を無心に求めて―東京、横浜、札幌、京都、大阪、広島、福岡、沖縄を縦横に食べ歩いた100日間。(「BOOK」データベースより) 途中までは、視点を変えて日本食を見つめる面白さを楽しんでいましたが、後半は何か…

『ハピネス』 桐野夏生 ***

結婚は打算から始まり、見栄の衣をまとった。憧れのタワーマンションに暮らす若い母親。おしゃれなママたちのグループに入るが、隠していることがいくつもあった。(「BOOK」データベースより) 読み始めると、ああ桐野さんの世界だと。誰一人共感できる登場…