2017-01-01から1年間の記事一覧

『角の生えた帽子』 宇佐美まこと ***

毎夜、同じような悪夢を見る。それはさまざまな女をいたぶり殺すことで性的興奮を覚えるという夢だ。その夢はまるで自分がやったかのような錯覚に陥るほど、リアルなのだ。ある日、自分が見た夢と同じ殺人事件の犯人がつかまったニュースが流れた。そこには…

『テーラー伊三郎』 川瀬七緒 ***

福島の田舎町で、ポルノ漫画家の母と暮らす男子高生・海色。17歳にして人生を諦めていたが、ある日、古びた紳士服店「テーラー伊三郎」のウィンドウに現れた美しいコルセットに心奪われる。頑固な老店主・伊三郎がなぜ女性下着を―騒然となる町内を尻目に、伊…

『WANTED!!かい人21面相』 赤染晶子 *

昭和最大のミステリー、グリコ・森永事件。その指名手配の絵、キツネ目の男が、事件から数年たった今も、わたし達をおびやかす。じゅうたん工場で働く女工たちの文字に託した思いを描く「恋もみじ」。家を出た奥さんになりかわった偽物の綾小路夫人の純情を…

『オブリヴィオン』 遠田潤子 ***

森二が刑務所を出た日、塀の外で二人の「兄」が待っていた―。自らの犯した深い罪ゆえに、自分を責め、他者を拒み、頑なに孤独でいようとする森二。うらぶれたアパートの隣室には、バンドネオンの息苦しく哀しげな旋律を奏でる美少女・沙羅がすんでいた。森二…

『虎の尾を踏む: 新・古着屋総兵衛 第十三巻』 佐伯泰英 **

拉致された九条文女の行方は杳として知れず、焦る総兵衛は意を決し、江戸城への潜入を試みる。また、北郷陰吉らの探索によって、異国の仮面兵と老中牧野忠精の関係が見えてきた。文女救出劇は老中牧野との闘争へと変わり、仮面兵との全面対決に発展。ついに…

『雲霧仁左衛門 (前編)』 池波正太郎 **

神出鬼没、変幻自在の怪盗・雲霧。政争渦巻く八代将軍・吉宗の時代、狙いをつけた金蔵をめざして、西へ東へ盗賊一味の影が走る。 (「BOOK」データベースより) 2017-193

『雲霧仁左衛門 (後編) 』 池波正太郎 **

神出鬼没、変幻自在の怪盗・雲霧。政争渦巻く八代将軍・吉宗の時代、狙いをつけた金蔵をめざして、西へ東へ盗賊一味の影が走る。(「BOOK」データベースより) 2017-194

『死の舞い: 新・古着屋総兵衛 第十二巻』 佐伯泰英 **

長崎伊王島沖合に二百年も前のガリオン船が現れ、仮面をつけた戦士たちが怪しく舞う―。江戸では一番番頭信一郎とおりんの祝言に合わせ新居普請が順調に進む中、五回目の古着大市の準備が佳境を迎えていた。そんな折、大黒屋前に不審な短艇が三艘留まり、哀し…

『八州探訪: 新・古着屋総兵衛 第十一巻』 佐伯泰英 **

文化二年の元日。年賀の挨拶で賑わう大黒屋の目下の話題は、信一郎とおりんの祝言の話と次の船団長の人選であった。そんな中、年賀客より武州・上州など関八州の田畑の荒廃と無宿者の増加という情報がもたらされ、重ねて「影」からは「八州探査」の指令が下…

『満月の泥枕』 道尾秀介 **

哀しき人、公園の池に沈めたのは…。娘を失った男、母に捨てられた少女。ろくでもない生活の終わりは、いつくる?生の悲哀、人の優しさが沁みわたる、人情ミステリーの傑作!(「BOOK」データベースより) 新聞連載ということと関係があるのか、サビ抜きのお寿…

『異国の影: 新・古着屋総兵衛 第十巻』 佐伯泰英 **

新栄橋完成に沸く大黒屋に、深浦の船隠しを監視する眼を報告してきたのはおこも姿の忠吉だった。監視小屋には、オロシャと思われる文字が記された絵図面、貨幣等が残されていた。多くの証拠を残したことに総兵衛は疑念を募らせる。一方、幕府鉄砲玉薬奉行配…

『たそがれ歌麿: 新・古着屋総兵衛 第九巻』 佐伯泰英 **

総兵衛は大目付本庄義親邸で喜多川歌麿なる稀代の浮世絵師と出会い、その絵と人物に不思議な魅力を感じさせられた。一方、私財を投じて掛け替えることとなった橋普請が進む中、強大な野分によって江戸の町は大打撃を受ける。折しも復旧に奔走する総兵衛の元…

『安南から刺客: 新・古着屋総兵衛 第八巻』 佐伯泰英 **

七カ月振りに総兵衛一行が江戸へ帰ってきた。古着大市の準備に忙しい大黒屋の面々だったが、主人の無事の戻りを歓喜の声を以て迎えた。帰着後すぐ総兵衛は入堀向かいの破産寸前の炭問屋の家屋敷の購入を決め、また大市での大勢の客の食事や手洗いの用意に知…

『二都騒乱: 新・古着屋総兵衛 第七巻』 佐伯泰英 **

京の錦市場で忽然と姿を消した桜子としげの消息は依然として知れないままであった。総兵衛は御堂に籠もりひたすら思念を送り続ける。じりじりとした時間が過ぎていく中、総兵衛の奇計に薩摩の密偵が二人引っ掛かったのだが……。一方、江戸では、大黒屋へとつ…

『転び者 新・古着屋総兵衛: 新・古着屋総兵衛第六巻』 佐伯泰英 **

五十八門の大砲を搭載する薩摩藩の新・十文字船団七隻は大隅海峡にて、大黒屋の交易船イマサカ号・大黒丸の通過を虎視眈々と待ち受けていた。一方、総兵衛一行は伊勢から京都への道程に神君の故事にあやかって、伊賀加太峠越えを選んだ。それは一行を付け狙…

『○に十の字―新・古着屋総兵衛〈第5巻〉』 佐伯泰英 **

坊城桜子を伴って京を目指す総兵衛一行が鳶沢村に逗留中、薩摩の密偵が捕らえられた。総兵衛の特殊な縛めにより、苦悶の末薩摩忍び北郷陰吉は転んだかに見えた。陰吉を加えた一行は一路、西を目指し始めた。一方、江戸では、おこものちゅう吉が湯島天神の床…

『南へ舵を―新・古着屋総兵衛〈第4巻〉』 佐伯泰英 **

“影”本郷康秀を誅殺した総兵衛一行は、上野、越後、越中を経て盛夏の加賀に入った。海路より金沢入りしていた信一郎らと合流し、前田家と交易を行う。一方、日本橋富沢町大黒屋では、ちゅう吉の掴んだ本郷家老女と薩摩藩用人の密談が大番頭光蔵に報告されて…

『未必のマクベス (ハヤカワ・ミステリワールド)』 早瀬耕 **

IT企業ジェイ・プロトコルの中井優一は、東南アジアを中心に交通系ICカードの販売に携わっていた。同僚の伴浩輔とともにバンコクでの商談を成功させた優一は、澳門の娼婦から予言めいた言葉を告げられる―「あなたは、王として旅を続けなくてはならない」。や…

『日光代参―新・古着屋総兵衛〈第3巻〉』 佐伯泰英 **

御側衆本郷康秀が将軍家斉の代参として日光に向かった。極秘の出立、余りにも少ない従者の数、かげまの同行等、不審な点が目に付き、総兵衛は百蔵と天松を伴って一行を追う。一方、この代参に関わる秘密を掴んだおこものちゅう吉も後を追った。御庭番、傭兵…

『百年の呪い―新・古着屋総兵衛〈第2巻〉』 佐伯泰英 **

今坂一族の卜師梅香林は、鳶沢一族に張り巡らされた闇祈祷を看破した。六義園を拠点とした闇四神の結界は、富沢町、さらに駿府鳶沢村をも包囲していた。幾重にも仕掛けられた柳沢吉保の百年の呪いに十代目総兵衛勝臣は敢然と立ち向かう。一方、闇祈祷の術者…

『光圀: 古着屋総兵衛 初傳』 佐伯泰英 *

天下の悪法「生類憐みの令」やゆがんだ将軍継承方針など五代将軍綱吉の大義なき政の専横ぶりに御三家定府水戸光圀は憤怒を募らせる。綱吉の背後には、隆光権僧正の影がちらつく。家康との約定により、表の顔は古着問屋、裏の貌は隠れ旗本として徳川守護を五…

『血に非ず―新・古着屋総兵衛〈第1巻〉』 佐伯泰英 **

六代目総兵衛の活躍した元禄・宝永年間から九十余年。享和二年(1802)、九代目総兵衛勝典は、労咳で瀕死の床にあった。嫡子幸之輔を流行病で亡くし、大黒屋内には直系の者はいない。深川で女郎屋を営む女はかつて勝典を誑かして子を孕んだというのだが。後継…

『ダナエ』 藤原伊織 ***

男たちの生き方に共感必至! CM制作を手がける麻生は昔の恋人の窮地を救うため突飛な手を考えた!(「水母」)。広告界と美術界を舞台にした力作3篇を収録!(「BOOK」データベースより) 三編の作品が納められている。「水母」は藤原伊織さんらしい作品だ…

『旅立ちぬ: 吉原裏同心抄』 佐伯泰英 ***

幼馴染の汀女とともに故郷の豊後岡藩を出奔し、江戸・吉原に流れ着いた神守幹次郎は、剣の腕を見込まれ、廓の用心棒「吉原裏同心」となった。時は流れ、花魁・薄墨太夫が自由の身となり、幹次郎は汀女、薄墨改め加門麻との三人で新しい生活を始める。幼い頃…

『帰還―古着屋総兵衛影始末〈11〉』 佐伯泰英 ***

大黒丸は信之助の待つ琉球泊湊へ寄港した。薩摩・清の二重支配に喘ぐ琉球での自由な交易を目指す総兵衛に立ち塞がったのは、薩摩藩であった。総兵衛らは示現流の遣い手集団院外団を撃破し、六隻の軍船を連ねる十文字船団との海戦に勝利して、勇躍江戸帰還を…

『交趾―古着屋総兵衛影始末〈10〉』 佐伯泰英 ***

琉球沖の大黒丸遭難で総兵衛以下、又三郎、駒吉など主だった人材を欠いた富沢町大黒屋を柳沢吉保の魔の手が襲う。その陰湿残忍な手口に身重の美雪はある決断を下す。一方、総兵衛は南洋の孤島で大黒丸の改造を果たし、針路を交趾(ベトナム)へ取った。かの地…

『騙し絵の牙』 塩田武士 ***

大手出版社で雑誌編集長を務める速水。誰もが彼の言動に惹かれてしまう魅力的な男だ。ある夜、上司から廃刊を匂わされたことをきっかけに、彼の異常なほどの“執念”が浮かび上がってきて…。斜陽の一途を辿る出版界で牙を剥いた男が、業界全体にメスを入れる!…

『始末: 吉原裏同心(二十四)』 佐伯泰英 ***

地廻りと呼ばれ、吉原の妓楼に上がらず素見をする一人の男の骸が切見世で見つかった。探索を始めた吉原裏同心・神守幹次郎は、下手人を川越に追う。一方、番方に女の子が生まれて沸く会所だが、突如現われた「倅」に悩む会所の七代目頭取四郎兵衛。「秘密」…

『ミッドナイト・ジャーナル』 本城雅人 ***

「被害者女児死亡」―世紀の大誤報を打ち、飛ばされた3人の記者。7年後、児童連続誘拐事件が発生する。さいたま支局の関口豪太郎はかつての事件との関連性を疑い、本社の遊軍記者・藤瀬祐里は豪太郎の応援に合流し、整理部員となった松本博史は冷めた目で静観…

『知略―古着屋総兵衛影始末〈第8巻〉』 佐伯泰英 ***

“影"の指令は、将軍綱吉の側室へさる公卿の娘を送り込まんとする柳沢吉保の陰謀の阻止であった。吉保は甲賀の名門鵜飼家を召し抱え、忍者衆を手駒に加えた。総兵衛は襲撃に遭いながらも東海道を西上、京を目指す。一方、富沢町の大黒屋ではるりが忽然と消え…