2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『其の一日』 諸田玲子 ***

第24回吉川英治文学新人賞、短編集。 『蛙』が得に印象に。『釜中の魚』だけは異質か。

『さよなら渓谷』 吉田修一 ***

これは評価が分かれそうな作品です。女性から、子を持つ親の立場からなど。最後にすっきりしない終り方も不満がでそうです。

『いつまでもショパン』 中山七里 ***

岬洋介シリーズの三作目。話ができすぎな感はあるが、ついつい読んでしまう。ちょうど盲目のピアニスト梯剛之さん行方不明 家族が捜索願……などというニュースの後だったので何といえばいいのか。

『静かな爆弾』 吉田修一 ***

声に出してわかり合えていると思っていることも、実は分かっていないのかも。話しながら考えるのではなく、書くというクッションを置いて、文字で伝えることの違いを考えさせられました。

『人間はどこまで耐えられるのか』 フランセスアッシュクロフト **

興味のあることも、無いことも盛りだくさん。

『共震』 相場英雄 ***

この小説も含めて震災が舞台の小説は三冊読みましたが、推理小説で扱うのは難しいですね。最近よんだ推理小説のなかでは、一番面白い。さすがに相場英雄さん。

『逃走』 薬丸岳 **

視点がころころ変わって、ちょっと戸惑う。軽く読めるのは利点なのか欠点なのか。

『六機の特殊』 黒崎視音 **

『警視庁心理捜査官』とかなり印象が異なる。武器の説明がちょっとお勉強臭く、少しダレてしまうところもあった。いろいろ盛り込みすぎで、どんどん読み進めることにはならず、時間のかかる読書になった。読後感は決して否定的ではない。

『夜市』 恒川光太郎 ***

日本ホラー小説大賞の表題作と少し長い『風の古道』2編。共に怖さ、美しさ、悲しみといった恒川ワールドが端正な文章でつづられている。

『破線のマリス』 野沢尚 **

TV局と郵政省が舞台なのだが、最後はぐずぐずで終了してしまったなあ。始まりは松本清張風なのに、そこから脱線してからは、ひたすら2組の夫婦の愛憎劇のようでもあり、どこか報道番組の裏話のようでもあるようで、すっきりしない終り方だ。小説のテクニッ…

『ともえ』 諸田玲子 **

宮部みゆきさんの「桜ほうさら」の前後に読んだので不利な採点になってしまう。智月と芭蕉、義仲と巴御前をはじめ登場人物に魅力が感じられないことに歯痒い思いをしながらの読書だった。諸田玲子さんの思いの深さは感じても残念ながら共感できなかった。諸…

『桜ほうさら』 宮部みゆき ***

久しぶりの宮部みゆきさん、時代小説の人情物かと思っていたら……。今回は意識してゆっくり読んでみたが、面白いので、結局先を急がされて読了。魅力のある登場人物が多いなあ。

『晩夏―東京湾臨海署安積班』 今野敏 ***

安定の安曇班シリーズ。これと隠蔽捜査シリーズで十分かな、加えるとしたら同期シリーズ。

『金色の獣、彼方に向かう』 恒川光太郎 ***

幻想的、ホラーの要素もある短編集それぞれにつながりはない。タイトルで敬遠していたが、もっと早く読むべきだった。

『ナンバー』 相場英雄 ***

短篇もいいが、やはり力技の長編が読みたいと思った。本格推理寄りの作品はどうかなあ。

『再会 あくじゃれ瓢六』 諸田玲子 **

瓢六にも大きな変化があった後の連作短編集だが、このシリーズは長編のほうが仕上がりがいいと思う。次のシリーズ長編がなることを期待。