2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『検事の本懐』 柚月裕子 ***

2012年、第25回山本周五郎賞候補。 2013年、第15回大藪春彦賞受賞。連作集、ちょっと最後の話が甘すぎるかなと、長編で読んでみたい。

『人質』 佐々木譲 ***

“道警”シリーズ6弾『回廊封鎖』が後半ハリウッド映画並みで、少しがっかりだったが、これは 抑制がきいていて良かった。 シリーズ中では、サスペンスは希薄で、道警内部の暗闘もないが○。

『アンチェルの蝶』 遠田潤子 **

後半がジェットコースター。 アンチェルは、Karel Ančerl

『解錠師』 スティーヴ・ハミルトン, 越前敏弥 **

翻訳物の典型かな、文章にどうにも居心地の悪さを感じてしまう。 元が良く、訳も自然な小説は多くない。コニーウイルスほどではないが、 これもムズムズ。はずれ続きでちょっとフラストレーション。

『臨床真理』 柚月裕子 **

このミス大賞受賞作 前半は、どんどん話に引き込まれたが、障害者が性犯罪の被害者という内容が重く、後半は本を閉じてしまおうかと何度も考えた。ラストはちょっと都合よくまとめすぎではないか。大賞選考で評価が分かれたそうだが納得できる。

『毒のある街 K・S・P〈2〉』 香納諒一 **

なんだか手垢のついた話のような、先が予想できて結末もなんだかなあ。 いろいろ詰め込みすぎだ、しかもステレオタイプでうんざりする。

『まぐだら屋のマリア』 原田マハ **

楽園のカンヴァスの絵画と鑑定、キネマの神様の名画と名画座といった興味深い題材ではなく基本定食屋なのでちょっとね。ところで、まぐだら定食はいくらだろう。

『国を蹴った男』 伊東潤 **

第34回 吉川英治文学新人賞直木賞候補の短編集、表題作は蹴鞠ということもあり、興味深く楽しめた。 その他の短篇はすこし単調で退屈かな。

『欠落』 今野敏 ***

まさか「カケオチ」ではないよね。と読み始めた同期シリーズ、意外に面白い 人気シリーズになりそう。もちろん読みは「ケツラク」。出版順ではないが、次は『確証』を予定。

『地のはてから』 乃南アサ ***

重いテーマをさすが乃南さんでした。あまり読みたくない話ではあったのですが、上下巻読了して良かったなと思います。橋田壽賀子ならどうさばくかな。 次は、音道貴子シリーズか芭子&綾香シリーズを読みたい。

『ソロモンの偽証 第II部 決意』 宮部みゆき ***

第II部だがまだ開廷ではない。

『春はそこまで 風待ち小路の人々』 志川節子 **

第148回直木賞候補作。 市井の人々の話と思って読み進めると、話が仇討ちに展開して最後は大団円で終了って。 もう少し毒があってもいいのではと思う。それなりに楽しくは読めました。

『光圀伝』 冲方丁 ***

第3回山田風太郎賞受賞『マルドゥック・スクランブル』、『天地明察』、『光圀伝』と読んできたが どれも読み応え十分。ただしSFは遠慮したほうがよさそう。3冊とも、とにかく長い。面白いので苦痛ではないが、読後の疲労感は他の 作家とは比べ物にならな…

『花盗人 (新潮文庫)』 乃南アサ **

玉石混交かな。表題作まで読んで集中がきれてしまった。

『幸福な朝食 (新潮文庫)』 乃南アサ ***

乃南アサは警察小説を読み進めてきたので、デビュー作は どうか心配だったが。 「案ずるより読むが易し」というダジャレが頭に浮かんだ。

『禁断 横浜みなとみらい署暴対係』 今野敏 ***

読書日記に記録していなかったので、珍しく再読になった。 再読するほどではないが、再読を後悔するほどのこともない。 平均的な今野敏クオリティー。

『警視庁FC』 今野敏 **

今野敏ファンの箸休め、というか一杯の白湯。 これまでの今野敏の警察小説を想定すると、あれ!となる。

『本にだって雄と雌があります』 小田雅久仁 *

『笑酔亭梅寿謎解噺』田中啓文 では気にならなかった関西弁がこの作品では 巨大な障壁となった。東北なまりの関西弁の故かな、これを迂回することも ならず、さらに「笑えない話」に右往左往したあげく、自分には時間がないこと に気づいて、放り投げること…

『後悔と真実の色』 貫井徳郎 ***

『乱反射』は賞狙いの作風か?確かに凝った推理ものだった。 これは『乱反射』とは印象が随分違う。漢字の使い方が気になった。 過剰ワープロ頼り風かな。動機など今一歩の感もある。予想では『新月譚』は本気の直木賞狙い風? 今後は、候補を良く吟味してか…