『存在のすべてを』 塩田武士 ***

 

『罪の声』が事件をフィクション(小説)化した作品とすると、『存在のすべてを』は、モデルになった事件があったかのような小説に思えます。本作はまちがいなく塩田さんの代表作の一冊だと思うのですが、なぜ「直木賞」の候補にもならなかったのでしょう?