2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『空っ風』 諸田玲子 ***

清水次郎長の子分「小政」の幕末から明治の人生。読み始めはこの本を選んだことを後悔したが、後半は引き込まれて読了した。不器用な生きたかしかできない「小政」、時代に合わせて変化する次郎長の対比がかなしい。

『熱風大陸―ダーウィンの海をめざして』 椎名誠 **

暇つぶしに。

『ペテロの葬列』 宮部みゆき ***

ネタばれを含みます。 感想をどうまとめるか、戸惑いました。amzon のカスタマーレビューを読むと、やはりエピソードの章の賛否が多くほとんどは否定的なものでした。作者は、実はこの多くの感想を意図して書いたのではないか、と仮定して続編を期待してみた…

『のぼうの城』 和田竜 **

脚本を小説にしたものらしいですが、エンターテイメントとして一級品だと思います。第139回直木賞(2008年上半期)ノミネート、2009年の第6回本屋大賞第2位も納得です。文章が映像化を前提としたもののようで、これは映像やコミックで見るべきなのかもしれま…

『王になろうとした男』 伊東潤 **

連作短篇集ですが、同じような話が続くと飽きてしまいます。直木賞候補ということで、読んでみましたが『国を蹴った男』と同様、残念な読書になりました。

『11/22/63』 スティーヴンキング **

過去にタイムトラベルして、JFKの狙撃を阻止しようとするSFだが、過去の世界での恋もからんで話は進みます。キングの恐怖小説ではありません。 キングは2冊目だが、これは長すぎです。細かな風俗、文化が分からないので理解はできても共感できません。翻訳小…

『新釈 にっぽん昔話』 乃南アサ ***

なぜ昔話なのかは、後書きに書いてあります。この昔話集は、元のお話そのままではなく、ちょっとブラックな味付けもあり、読み進めていくと最後にひねりがあったりして大人にも楽しめる作品でした。これまでの乃南さんの作品を期待すると、読者層を広く設定…

『贖罪の奏鳴曲』 中山七里 ***

推理小説としては、犯人探しが毎回凝ったしかけで楽しめます。犯罪を構成するピースとなってはいませんが音楽も重要な要素となっていて、中山さんの小説では楽しみの一つです。今回はピアノソナタ上手とはいえないが心を打つ演奏風景が書かれていて聴きたく…

『櫛挽道守』 木内昇 ***

主人公と家族の歴史が木内マジックで綴られていきます。幕末はこれまでも小説の舞台として書かれていましたが、今回は幕末の動乱とは縁の薄い女性が主人公で櫛職人です。これまでの主人公は、何となく女性目線の男なのでちょっとしっくりこないところもあっ…

『追憶の夜想曲』 中山七里 ***

推理小説としては、いつものパターンですが面白かった。しかし、「この物語はフィクションです」と言われても明らかに参考になった現実の事件があったわけで、すなおに面白かったと言いきれない気持ちもあります。過度にグロテスクな描写、現実の事件の関係…