2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『野分一過 酔いどれ小籐次(十三)決定版 (文春文庫)』 佐伯泰英 ***

文政二年(1819)秋、野分(台風)一過。久慈屋の大番頭・観右衛門に誘われ、隅田川沿いの須崎村に赴いた小籐次。竹林に囲まれた絶景の地に建つ数寄屋こそ、久慈屋がおりょうに用意した住まいだった。おりょうの新生活のため奔走する小籐次。だが野分のさなかに…

『杜若艶姿 酔いどれ小籐次(十二)決定版 (文春文庫)』 佐伯泰英 ***

当代随一の女形・五代目岩井半四郎と知り合い、再三、芝居への招きを受けていた小籐次。断り切れずついに承諾、しかも、おりょうも同道することに―。いつになく華やいだ気分の小籐次だが、平穏な日々がそうそう続くはずもなかった。久慈屋に気がかりな事態が…

『偽小籐次 酔いどれ小籐次(十一)決定版 (文春文庫)』 佐伯泰英 ***

想い人おりょうとの仲に新たな進展を得た小籐次。だが、そんな日々にも、自らを見張る鋭い視線を感じていた。そして現れた“偽小籐次”。今や江戸の有名人となった赤目小籐次の名を騙り、研ぎ仕事を請け負い法外な研ぎ料を請求する―。跳梁はそれだけにとどまら…

『京の縁結び 縁見屋と運命の子』 三好 昌子 **

天明八年の大火から五年。貴和と母は、謎の法師に襲われた。通りかかった不思議な少年に助けられるが、翌日貴和の母は失踪する。「必ずお母はんに会える」と少年は告げるが、十一年後に会った彼は、なぜか言葉を話さなくなっていた。そしてある日、貴和の父…

『薫風鯉幟 酔いどれ小籐次(十)決定版 (文春文庫)』 佐伯泰英 ***

文政二年仲夏。小籐次にとって商いの師である野菜売りのうづが、いつもの蛤町の船着場に三日も姿を見せない。うづの在所に様子を見に行った小籐次は、彼女に縁談が持ち上がっていることを知る。が、その相手、危険な取り巻きを抱える、なんとも厄介な男。縁…

『春雷道中 酔いどれ小籐次(九)決定版 (文春文庫)』 佐伯泰英 ***

ほの明かり久慈行灯の製作指南と、手代の浩介の婿入りが決まったことを報告するため、小籐次は久慈屋の面々と水戸に向け旅立った。だが密かに主の座を狙っていた古参の番頭・泉蔵が激しく反発し、一行を襲おうと画策する。一方、金座に押し込んだ賊が水戸街…

『竜笛嫋々 酔いどれ小籐次(八)決定版 (文春文庫)』 佐伯泰英 ***

小籐次の想い人おりょうに持ち上がった、二千四百石の高家・畠山頼近との縁談。おりょうは不安と不審を小籐次に吐露する。複雑な胸中を押し殺し、頼近についての調査を約する小籐次。次第に明らかになっていく意外な事実。そんな中、おりょうが手紙を残し、…

『子育て侍 酔いどれ小籐次(七)決定版』 佐伯泰英 ***

子連れの刺客、須藤平八郎を討ち果たし、約定によりその赤子、駿太郎を引き取ることになった赤目小籐次。長屋の隣人や久慈屋らに助けられ、また少々不安がられつつも“子育て”に励む小籐次だったが、そこに駿太郎の母親と称する者の影が見え隠れし始める…。日…

『騒乱前夜 酔いどれ小籐次(六) 決定版』 佐伯泰英 ***

自ら考案した行灯づくりの指南に水戸に行くことになった小籐次。だがなぜか、同行者の中に探検家・間宮林蔵の姿が。彼の目的は何か? (「BOOK」データベースより) 2018-166

『夏空白花』 須賀 しのぶ *

1945年夏、敗戦翌日。誰もが呆然とする中、朝日新聞社に乗り込んできた男がいた。全てが無くなった今こそ、未来を担う若者の心のために、戦争で失われていた「高校野球大会」を復活させなければいけない、と言う。ボールもない、球場もない。それでも、もう…

『孫六兼元 酔いどれ小籐次(五)決定版』 佐伯泰英 ***

久慈屋の大番頭、観右衛門の依頼で芝神明大宮司、西東正継を助けることになった小籐次。社殿前の賽銭箱に若い男が剣で串刺しにされ、死んでいたという。大宮司は、小籐次に思いもかけない秘密を打ち明けた―。“酔いどれ”の名が江戸市中に広まり、小籐次の身に…

『一首千両 酔いどれ小籐次(四) 決定版』 佐伯泰英 ***

御鑓拝借に始まった騒動から年が明け、文化十五年。赤目小籐次と、肥前鍋島本藩を含む四家が組織した追腹組の死闘は続いていた。それに追い打ちをかけるように、江戸の分限者たちが小籐次の首に千両の褒賞をだし、剣客を選んで順に小籐次を襲わせるという噂…

『寄残花恋 酔いどれ小籐次(三)決定版』 佐伯泰英 ***

小金井橋の死闘で小城藩の刺客を斃した小籐次だったが、己が生涯追われる身になったと悟り、怪我を押して甲斐国へと向かった。その道中、幕閣の女密偵おしんと知り合う。小籐次は、不正の臭いのする甲府勤番を探るというおしんに同道するが、甲府では驚くべ…

『木枯らしの: 吉原裏同心抄(四)』 佐伯泰英 ***

久しぶりに幹次郎を訪ねてきた左吉。身代わりで入牢した間に財産を盗まれたという。それが吉原を巻き込む陰謀の一端と想像もしなかった幹次郎だが、周囲を危難が襲う。引手茶屋・喜多川蔦屋の沽券が狙われ、会所頭取・四郎兵衛には南北町奉行から圧力が。決…

『ロンリネス』 桐野夏生 ***

本当の恋を知らなかった。嫌いではないが、夫とはぎくしゃくしている。出会った男は、夫とは対照的だった。ベストセラー『ハピネス』、欲望と熱情の第2ステージ。(「BOOK」データベースより) 2018-160

『襲来 下』 帚木 蓬生 ***

日蓮が唱えた「他国侵逼」の予言を確かめ大陸の様子を探るために、見助が対馬に遣わされた。島に辿り着いた見助は蒙古の情報を次々に入手する。その間、日蓮は数々の法難に遭うが、二人の間で手紙のやりとりは続いた。そして十余年後、ついに蒙古が動いたと…

『襲来 上』 帚木 蓬生 ***

鎌倉で辻説法をしていた僧侶・日蓮は、やがて他宗派への攻撃を強め「立正安国論」を唱える。幕府が法華経を用いなければ、国内の災害が続き他国からの侵略を受けると予言したのだ。日蓮に仕えていた見助は、その耳目となって予言を確かめるため、九州の対馬…

『風神の手』 道尾秀介 ***

彼/彼女らの人生は重なり、つながる。隠された“因果律”の鍵を握るのは、一体誰なのか―章を追うごとに出来事の“意味”が反転しながら結ばれていく。数十年にわたる歳月をミステリーに結晶化した長編小説。(「BOOK」データベースより) 2018-157

『桃色浄土』 坂東 真砂子 ***

珊瑚の海の向こうには、愛する死者が生き返る伝説の国がある―。高知の海辺の村に暮らす海女とイタリア人の禁じられた恋。(「BOOK」データベースより) 2018-156

『おはぐろとんぼ 江戸人情堀物語』 宇江佐 真理 ***

堀の水は、微かに潮の匂いがした。静かな水面を揺らす涙とため息の日々に、ささやかな幸せが訪れるとき―下町の人情を鮮やかに映す感動の傑作短編集。(「BOOK」データベースより) 2018-155

『骨を弔う』 宇佐美 まこと ***

30年前のあの日、本当は何を埋めたんだろう。日本推理作家協会賞受賞作家が放つ新境地ミステリー。(「BOOK」データベースより) 2018-154

『十日えびす 花嵐浮世困話』 宇江佐 真理 ***

錺職人の夫が急逝し、義理の子供たちから家を追い出されてしまった後添えの八重。先妻の子・おみちと日本橋堀江町に引っ越して小間物屋を開いた。血のつながりはないが、実の親子のように仲の良い二人。新しい生活は希望に満ちていた。しかし、向かいに岡っ…

『意地に候 酔いどれ小籐次(二)決定版』 佐伯 泰英 ***

侮辱された主君の恥を雪ぐため、大名四家の御鑓先を強奪する騒ぎを起こした小籐次は、紙問屋久慈屋の好意で長屋に居を構え、研ぎを仕事に新たな生活を始めた。だがある日、小籐次は見知らぬ男たちに襲われる。これは先の騒動で威信を傷つけられた藩の者たち…

『御鑓拝借 酔いどれ小籐次(一)決定版』 佐伯 泰英 ***

豊後国森藩から奉公を解かれ、浪々の身となった赤目小籐次、四十九歳。彼には胸に秘する決意があった。旧主・久留島通嘉の受けた恥辱をすすぐこと。相手は大名四藩。備中次直二尺一寸三分を手に、小籐次独りの闘いが今、幕を開ける。時代小説ファンを驚喜さ…

『屍の聲』 坂東 真砂子 ***

屍の声―山間に響く私を呼ぶ声。祖母の意識は何処へ。猿祈願―秩父山稜の観音堂。老女はなにかを呟いた。残り火―風呂の焚き口で燃えあがる炎。憎しみの火が薪に絡みつく。盛夏の毒―炎天下。背後からふたりにしのびよるものは。雪蒲団―冬の新潟。隣家の窓から不…

『しゃぼん玉 (新潮文庫)』 乃南 アサ ***

女性や老人だけを狙った通り魔や強盗傷害を繰り返し、自暴自棄な逃避行を続けていた伊豆見翔人は、宮崎県の山深い村で、老婆と出会った。翔人を彼女の孫と勘違いした村人たちは、あれこれと世話を焼き、山仕事や祭りの準備にもかり出すようになった。卑劣な…

『ほら吹き茂平』 宇江佐 真理 ***

隠居した深川の茂平は大工の元棟梁。いつの頃からか「ほら吹き茂平」と呼ばれるようになった。別に人を騙そうとは思っていない。ただ、いろんな癖の人をみて、ついつい言ったお愛想が思わぬ騒動を起こすのだ。その日も、一向に嫁ぐ気のない娘の相談に来た母…

『来なけりゃいいのに』 乃南 アサ **

「仕事は半人前のくせに、口ばっかり達者になって」ベテランOLの多恵子は鬱々としていた。OA化に伴い仕事が減少、若いOLたちに疎んじられる日々である。が、そんな彼女を部長の一言が変えた。「彼女らを指導してやってくれ」俄然、発奮した彼女は活気を取り…

胡散臭い人たち

ある日、満面に笑みをたたえた女性が二人我が家にやってきました。「あなたは一人住まいで65歳ですね」年寄りの住まいに来ていきなりなんでしょうね。「心配事や体の具合の悪いところはありませんか?」こちらの話は聴いていませんが勧誘ではありません。 怪…