『流星ひとつ 』 沢木耕太郎 ***

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何もなかった、あたしの頂上には何もなかった―。1979年、28歳で芸能界を去る決意をした歌姫・藤圭子に、沢木耕太郎がインタヴューを試みた。なぜ歌を捨てるのか。歌をやめて、どこへ向かおうというのか。近づいては離れ、離れては近づく二つの肉声。火の酒のように澄み、烈しく美しい魂は何を語ったのか。聞き手と語り手の「会話」だけで紡がれた、異形のノンフィクション。
(「BOOK」データベースより)


実は長年の個人的な疑問がこの本で解決しました。それも好きな作家沢木耕太郎氏のノンフィクションでというおまけ付きです。意外な接点から藤圭子さんに沢木耕太郎さんが直接のインタビューするという本で、それも「一瞬の夏」と同時期に書かれ一度はお蔵入りになっていた本が、藤さんの悲しい結末によって出版されたのですね。演歌系は好きではありませんが、藤圭子さんと前川清さんは例外的に歌がうまいなと感心する歌手でした。このインタビュー形式のノンフィクションも沢木耕太郎さんでなければ、書けなかった本でしょう。