『善魂宿』 坂東 真砂子 ***

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天鏡峠に連なる山襞の合間に建つ合掌造りの一軒家。かつては蚕を育て暮す大家族がいたこの家に、今では母と息子がひっそりと暮らしている。道に迷った旅人たちは、一夜の宿と引き換えに里の話をとせがむ母に促され、それぞれの人生を語り始める―。彼岸に日金山に登れば死人に会えるという老女、子供のころ村に来た毒消し売りの女との淡い思い出を回想する男、願掛けで蛭を食った北前船主の哀しい人生を語る仏壇売り…。因習にとらわれながらも力強く生きる男と女の性を浮かび上がらせる。(「BOOK」データベースより)



2018-142