『算法少女』 遠藤 寛子 ***

 

算法少女 (ちくま学芸文庫)

算法少女 (ちくま学芸文庫)

  • 作者:遠藤 寛子
  • 発売日: 2006/08/01
  • メディア: 文庫
 

父・千葉桃三から算法の手ほどきを受けていた町娘あきは、ある日、観音さまに奉納された算額に誤りを見つけ声をあげた…。その出来事を聞き及んだ久留米藩主・有馬侯は、あきを姫君の算法指南役にしようとするが、騒動がもちあがる。上方算法に対抗心を燃やす関流の実力者・藤田貞資が、あきと同じ年頃の、関流を学ぶ娘と競わせることを画策。はたしてその結果は…。安永4(1775)年に刊行された和算書『算法少女』の成立をめぐる史実をていねいに拾いながら、豊かに色づけた少年少女むけ歴史小説の名作。江戸時代、いかに和算が庶民の間に広まっていたか、それを学ぶことがいかに歓びであったかを、いきいきと描き出す。 (「BOOK」データベースより)

 

 

 

2021-004

 

『降るがいい』 佐々木 譲 ***

 

降るがいい

降るがいい

 

本番当日に失踪した舞台女優と数年ぶりに再会した脚本家の心に去来したもの(「不在の百合」)。かつての仕事仲間の訃報を私に告げた、意外な人物(「隠したこと」)。自堕落な生活を続ける後輩との会食で、私がとったある行動(「反復」)…。都会の片隅で生きる人々の埋もれた「真実」が明かされるとき、過去の重みが忍び寄る。佐々木譲が贈る渾身の人間ドラマ、全13篇。(「BOOK」データベースより)

 

 

 

2021-003

 

『えにし屋春秋』 あさのあつこ ***

 

えにし屋春秋

えにし屋春秋

 

ある縁談に秘められた切なる祈り…浅草の油屋、利根屋の娘・お玉と、本所髄一の大店の主人との縁談が持ち上がったが、見合いの前日にお玉は置手紙を残していなくなってしまう。利根屋の命運を賭けて、身代わりとなったのは奉公人・おまい。当日、“えにし屋”を名乗る謎めいた女が現れて、おまいは美しく着飾らせてもらうが、その後もお玉の行方は一向に掴めないままだった…。縁を商いとするひとびとの物語。 (「BOOK」データベースより)

 

 

2021-002

 

『虹色の童話』 宇佐美 まこと ***

 

虹色の童話 (角川文庫)

虹色の童話 (角川文庫)

 

民生委員の千加子は、「レインボーハイツ」とは名ばかりの、くすんだ灰色のマンションをたびたび訪れる。そこに住む、なかば育児放棄された5歳児・瑠衣を世話するためだ。他の住人たちも生活に倦み疲れ、暗い気配をまとっていたが、やがて必然のように不幸が打ち続く。住まい以外には特に共通項もない事件の裏にちらつく影は一体…?日常にじわりと滲み出す狂気を生々しく描く、長編ホラーミステリー。 (「BOOK」データベースより)

 

 

2021-001

 

『天災から日本史を読みなおす』 磯田 道史 ***

 

豊臣政権を揺るがした二度の大地震、一七〇七年の宝永地震が招いた富士山噴火、佐賀藩を「軍事大国」に変えた台風、森繁久彌が遭遇した大津波―。史料に残された「災い」の記録をひもとくと、「もう一つの日本史」が見えてくる。富士山の火山灰はどれほど降るのか、土砂崩れを知らせる「臭い」、そして津波から助かるための鉄則とは。東日本大震災後に津波常襲地に移住した著者が伝える、災害から命を守る先人の知恵。  (「BOOK」データベースより)

 

2020-116

『湖の女たち』 吉田 修一 ***

 

 

湖の女たち

湖の女たち

 

 

琵琶湖近くの介護療養施設で、百歳の男が殺された。捜査で出会った男と女―謎が広がり深まる中、刑事と容疑者だった二人は、離れられなくなっていく。一方、事件を取材する記者は、死亡した男の過去に興味を抱き旧満州を訪ねるが…。昭和から令和へ、日本人が心の底に堆積させた「原罪」を炙りだす、慟哭の長編ミステリ。 (「BOOK」データベースより)

 

事件を調べていくと、戦争犯罪や中国での殺人事件、薬害事件まで話は広がります。また刑事と容疑者の不思議な関係など、これらはどうピースとしてハマっていくのかなと 。推理小説的には不満が残るのですが、不思議な余韻を残し話は終わります。

 

2020-115

 

『夜の声を聴く』 宇佐美 まこと ***

 

夜の声を聴く (朝日文庫)

夜の声を聴く (朝日文庫)

 

 目の前で手首を切った女性に惹かれた隆太は、彼女が通う定時制高校に入学した。やがて、彼は同級生の大吾が働く奇妙な店を手伝い始める。しかし、それは11年前の一家殺人事件に端を発する、歪んだ悲哀が渦巻く世界への入口だった!平穏な日常が揺らぐ衝撃のミステリー。 (「BOOK」データベースより)

 

2020-114