江戸で行き詰った冲也は、浄瑠璃の本場、大阪で一本立ちしようと決意し江戸をあとにするが、上方でも無惨な失敗に終り、次第に深酒にひたるようになる。冲也はさらに北陸の金沢へと遍歴を続けるのだが……。おのれの人生を芸道との孤独な苦闘に賭けて悔いるこ…
旗本の次男、中藤冲也が余技として作る端唄は、独得のふしまわしで江戸市中のみならず遠国でももてはやされた。しかし冲也はそれに満足せず、人を真に感動させる本格的な浄瑠璃を作りたいと願い、端唄と縁を切り、侍の身分をも棄てて芸人の世界に生きようと…
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