2018-02-27から1日間の記事一覧

『にらみ: 新・古着屋総兵衛 第十四巻』 佐伯泰英 ***

大黒屋に脅迫状が届いた。古着大市を取りやめぬと客を殺戮するという。影・九条文女との接見の帰途、総兵衛一行は怪しい霧に包まれ、南蛮鎧兜の集団により奇妙な飛び道具で襲撃される。総兵衛は諜報網のすべてを使って情報を集める。やがて、坊城麻子から有…

『岡山女』 岩井志麻子 ***

惨劇が秋雨の宵だったためか、雨が降り始めると傷はさらに痛んだ。そうして雨は別の痛みも呼び覚ました。タミエはその様々な幻のうちに、明日起こる事柄やとうに死んだ者達の姿をも映し出せるようになっていたのだ。残った右目に映るのではない。失われた左…