2018-11-17から1日間の記事一覧

『桜吹雪 新・酔いどれ小籐次(三)』 佐伯 泰英 ***

近ごろ呆けの進んだ新兵衛が妙な間合いで「南無妙法蓮華経」のお題目を唱えるため、みんなは困り果てていた。身延山久遠寺に詣でたことがあり、それを思い出しているらしい。どうにかしようと、孫のお夕の付き添いで小籐次はおりょう、駿太郎とともに代参の…

『願かけ 新・酔いどれ小籐次(二) 』 佐伯 泰英 ***

近ごろ、小籐次が研ぎ仕事をしていると、その姿に手を合わせ念仏を唱え柏手を打つ者、さらには賽銭を投げる者が続出する。周囲は面白がるが、小籐次は店仕舞いを余儀なくされた。一方おりょうの芽柳派では、門弟の間で諍いが起き、おりょうを悩ませる。ふた…

『師匠、御乱心! 』 三遊亭 円丈 ***

「もう決めた、あたしゃ、伝家の宝刀を抜く!」昭和五十三年、名人・三遊亭円生が、落語協会の方針に異を唱え、一門を率いて協会を脱退するという大事件が起こった。一番驚いたのは、他ならぬ円生の弟子たちである。寝耳に水の師匠の決断。寄席への出演も差し…