『仮装集団』 山崎豊子 **

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登場人物がステレオタイプであり、内容も私にとっては陳腐。徹底した取材による丁寧な仕事だが、小説を読むことの楽しさを満たしてはくれません。そのため、小説としての評価はかなり低くなってしまいます。まるで、政治的な目的としての興業を作者が小説の中で繰り返し指摘しているように、この小説も同類と言えるのでは。
感動する読者も当然いるでしょうが、私は百田尚樹氏の作品と似た印象をもちました。小説仕立てにする必要があるのでしょうか。ただ、山崎豊子作品の、試し読みとしてこの小説を選択したのは正解でした。もっと長い作品でこの感想ではダメージが大きいから。