『星の子』 今村夏子 ***

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主人公・林ちひろは中学3年生。
出生直後から病弱だったちひろを救いたい一心で、
両親は「あやしい宗教」にのめり込んでいき、
その信仰は少しずつ家族を崩壊させていく。
前作『あひる』が芥川賞候補となった著者の新たなる代表作。(「BOOK」データベースより)


宗教問題をサラッと書いて、書き込まないことで”ザワザワ感”を読者の心に植え付ける今村さんに脱帽です。芥川賞は残念でしたが、敬愛する選考委員の小川洋子さんの評価が高かったのは受賞にも増してうれしいことだったのではないでしょうか。しかし芥川賞直木賞も年二回もあるのに、受賞時期を逃して忘れた頃にとか、受賞なしというのは予備選考を含む日本文学振興会の問題なのか、選考委員の責任なのでしょうかねえ。芥川直木賞は年二回選考委員の評を読んでそのボケぶりを楽しむというのが……

2017-131