『夢三夜 新・酔いどれ小籐次(八)』 佐伯 泰英 ***

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正月。小籐次は望外川荘で新年の膳を囲んだほか、おりょうの実家に駿太郎も連れて挨拶に行き、さらには久慈屋でも祝い酒を頂戴するなど宴席続きだった。そんな中、昨年来、同行を求められている伊勢参りについて昌右衛門と相談したが、どうも昌右衛門の歯切れが悪い。なにか悩みか、心に秘めたものがあるようだ。
一方、年末年始に立て続けに掏摸を捕まえた駿太郎は、奉行所から褒美をもらうことになった。駿太郎とともに招かれた小籐次は、面倒ながらも町奉行と面会し、帆船の絵本と眼鏡を贈られた。
そんな折、小籐次は望外川荘で何者かに襲われた。小籐次は難なく撃退し、その刺客の腕を惜しんで手加減したが、刺客は口封じのため雇い主の矢に射抜かれて死んだ。しかも、その矢を見たおりょうが驚愕の声を発した。なんと、刺客の雇い主とはおりょうの実兄だったのだ。おりょうの兄は、なぜ小籐次を狙うのか。そしてその結末は――。
書き下ろし第8弾。(「BOOK」データベースより)


2018-196