十三歳にして剣術に優れ、研ぎ仕事の腕も上げた駿太郎はアサリ河岸の桃井道場に入門し、年少組で稽古に励む。一方、肥前タイ捨流の修行者に勝負を挑まれた小籐次は、来島水軍流の一手を鋭く繰り出し堀に沈めてみせる―。さらに、おりょうの「鼠草紙」を披露するため招かれた江戸城の花見では、大奥上臈との酒合戦が待っていた。 (「BOOK」データベースより)
2020-24
江戸の大火で住み慣れた家を失ってから十年。伊三次とお文は新たに女の子を授かっていた。ささやかな幸せをかみしめながら暮らすふたりの気がかりは、絵師の修業のために家を離れた息子の伊与太と、二十七にもなって独り身のままでいる不破龍之進の行く末。龍之進は勤めにも身が入らず、料理茶屋に入り浸っているという…。 (「BOOK」データベースより)
2020-23
今、結寿は岐路に立たされていた。墓参するたび、亡き夫に相談事をもちかけている。自分と幼い娘の行く末についての相談である。「いかにすべきか、どうぞ、どうぞ道をお示しください」もとより波風はしょっちゅうだった。これまでも人並みの浮き沈みは経験してきたが、夫の死という過酷な現実は結寿を苦悶の淵へ突き落とした。(「幕間」より)。麻布狸穴町に出戻った結寿。押し込み騒動や辻斬り、子攫い…界隈で起こる事件の謎と罪に苦しむ人々の心を解きほぐすうちに、結寿自身の心にも変化の時が訪れて―。 (「BOOK」データベースより)
2020-22
京での修業先が決まった幹次郎と麻。その新生活は不穏な空気に包まれていた。祇園旦那衆らの寄合で、不審な殺人について探るよう依頼された幹次郎は、正体の見えぬ強敵に立ち向かうことに。一方、裏同心不在の吉原では、老舗の大籬がついに謎の山師の魔の手に陥ちてしまう。二つの町で進行する企みと危機の連続。裏同心幹次郎と吉原の人々の新しい闘いが幕を開けた。 (「BOOK」データベースより)
2020-19