『天下一の軽口男』 木下昌輝 ***

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時は江戸時代中期。大坂の生國魂神社の境内には、芝居小屋や見世物小屋が軒を連ね、多種多様な芸能が行われていた。笑話の道を志した米沢彦八は、役者の身振りや声色を真似る「仕方物真似」、滑稽話の「軽口噺」などが評判となり、天下一の笑話の名人と呼ばれ、笑いを大衆のものとした。彦八は何故、笑いを志し、極めようとしたのか?そこには幼き頃から心に秘めた、ある少女への思いがあった―。
(「BOOK」データベースより)

タイトルと装丁から二の足を踏んでいたのだが、読み出すと止まらなくなってイッキ読みでした。関西弁にアレルギーがあるのですが気になりません。酒を飲み女を抱いていても、里乃との思いでの小石を持ちつづけ、少女に心から笑ってほしいという気持ちを死を迎える時まで持ちつづける彦八が悲しい。