『櫛挽道守』 木内昇 ***

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主人公と家族の歴史が木内マジックで綴られていきます。幕末はこれまでも小説の舞台として書かれていましたが、今回は幕末の動乱とは縁の薄い女性が主人公で櫛職人です。これまでの主人公は、何となく女性目線の男なのでちょっとしっくりこないところもあったのですが、今回は母、妹、主人公の心情がリアルに感じられました。木内さんの新境地でしょうか、これからも目がはなせない作家です。
第8回親鸞賞、第27回柴田錬三郎賞、第9回中央公論文芸賞