『さよなら、ニルヴァーナ』 窪美澄 *

さよなら、ニルヴァーナ

さよなら、ニルヴァーナ


少年犯罪の加害者、被害者遺族、加害者を崇拝した少女、その運命の環の外にたつ女性作家。「少年A」は彼らに何をもたらしたのか。
少年犯罪の加害者、被害者遺族、加害者を崇拝する少女、そしてその環の外にたつ女性作家。運命に抗えない人間たちの因果を描く、慟哭の物語! 内容(「BOOK」データベースより)


好きな作家で、出版されると読んできましたし、がっかりさせる作品もなく、本作も小説としてはよくできていると思うのですが、出版の是非は「少年Aの手記」と同罪でしょう。

一般の読者には忘れかけた事件かもしれませんが、被害者の親族にとっては現在も心の整理などつくものではないはずです。窪さんの本作も含め安易に「過去」の事件を題材にとった小説が多すぎる気がします。これはセカンドレイプと同じではないですか?。

小説(フィクション)とはいえ、最低限守られるべきラインはあるはずです。