2016-01-01から1年間の記事一覧

『銀座のカラス〈上〉』 椎名誠 ***

松尾勇は小さな業界新聞社のサラリーマン。勤め始めて約一年の新米編集者だ。ところが前任者が突然退社した為に、なんといきなり編集長になってしまった。といっても部員は自分だけ。経験がない上に部下もいないなんて…。だが、やるしかない。やるしかないの…

『午後二時の証言者たち』 天野節子 ***

誰が少女を殺したのか。数行の三面記事に隠された証言者たちの身勝手な事情。他人事、ではもう済まされない。平凡な日常が壊れる瞬間を描いた慟哭のミステリー。 (「BOOK」データベースより)短編集かと思ったが……。久しぶりに読み応えもあるミステリーを読…

『火災調査官』 福田和代 **

放火現場には必ず、ダ・ヴィンチの模写絵が残されていた。火に魅せられた火災調査官と、正義感あふれるポンプ車小隊長。ふたりが追う、連続放火事件の謎。緻密な取材と圧倒的なリーダビリティで描く、新境地にして渾身の長編ミステリ。 (「BOOK」データベー…

『戦国24時 さいごの刻(とき)』 木下昌輝 ***

時を惑い。時を追われ。時を喰らう。時代小説界若手の実力者が、歴史の大事に至るまでの一日を濃密に描く、6つのどんでん返し!大坂夏の陣で、豊臣秀頼が死ぬまでの24時間。伊達政宗が父、輝宗を射殺するまでの24時間。桶狭間にて、今川義元討ち死にまでの24…

『光炎の人 (下)』 木内昇 **

大阪の工場ですべてを技術開発に捧げた音三郎は、製品化という大きなチャンスを手にする。だが、それは無惨にも打ち砕かれてしまう。これだけ努力しているのに、自分はまだ何も成し遂げていない。自分に学があれば違ったのか。日に日に強くなる音三郎の焦り…

『光炎の人 (上)』 木内昇 **

時は明治。徳島の貧しい葉煙草農家に生まれた少年・音三郎の運命を変えたのは、電気との出会いだった。朝から晩まで一家総出で働けども、食べられるのは麦飯だけ。暮らし向きがよくなる兆しはいっこうにない。機械の力を借りれば、この重労働が軽減されるは…

『ポイズンドーター・ホーリーマザー』 湊かなえ **

女優の藤吉弓香は、故郷で開催される同窓会の誘いを断った。母親に会いたくないのだ。中学生の頃から、自分を思うようにコントロールしようとする母親が原因の頭痛に悩まされてきた。同じ苦しみを抱えた親友からの説得もあって悩んだのだが…。そんな折、「毒…

『ながい坂 (下巻)』 山本周五郎 ***

異例の出世をした主水正に対する藩内の風当たりは強く、心血をそそいだ堰堤工事は中止されてしまうが、それが実は、藩主継承をめぐる争いに根ざしたものであることを知る。“人生"というながい坂を人間らしさを求めて、苦しみながらも一歩一歩踏みしめていく…

『ながい坂 (上巻)』 山本周五郎 ***

徒士組という下級武士の子に生まれた小三郎は、八歳の時に偶然経験した屈辱的な事件に深く憤り、人間として目ざめる。学問と武芸にはげむことでその屈辱をはねかえそうとした小三郎は、成長して名を三浦主水正と改め、藩中でも異例の抜擢をうける。若き主君…

『蓮の数式』 遠田潤子 ***

不妊治療で婚家から孤立する女が出会ったのは自らの生い立ちと算数障害に悩む男。私たちは不良品じゃない。愛を忘れた女と愛を知らない男の逃避行がはじまる。 (「BOOK」データベースより)読み出したら止まらなかった。しかし、気味の悪い旦那だ。

『謎の毒親』 姫野カオルコ ***

ウチの親って、絶対になんか変! と思っているあなたに贈る究極の毒親物語。 (「BOOK」データベースより)登場人物の誰にも共感することなく、ひたすら読書に時間がかかる結果になりました。毒親ねえ、どうでもいいや。

『わたしの宝石』 朱川湊人 ***

女性の前で男性が「さみしい」と口にする時、きっとさみしさは、その瞬間に消えているのです。じんわりと心をえぐる、特別な愛のストーリー6編。 (「BOOK」データベースより)手からこぼれ落ちた宝石達を拾い集めた短編集。似たような経験が誰にも一つくら…

『裸の華』 桜木紫乃 ***

舞台上の怪我で引退を決意した、元ストリッパーのノリカは、故郷で店を開くことに。ダンサーを募集すると、二人の若い女性が現れて―。踊り子たちの鮮烈な生き様を描く、極上の長編小説。 (「BOOK」データベースより)NORIKAに集まって、それぞれがまた自分…

『よるねこ』 姫野カオルコ ***

映画には絶対できない恐怖と残酷。あなたの潜在意識を煽る、姫野カオルコの新境地!著者初の幻想&ホラー小説集。 (「BOOK」データベースより)奇妙な世界の入り口が垣間見える怖さかな。

『田中真紀子の恩讐』 上杉隆 *

鋭い舌鋒を武器に生きる「女政治家」の愛憎57年史。 (「BOOK」データベースより)何も残らない本

『青春デンデケデケデケ』 芦原すなお ***

第105回(平成3年度上半期) 直木賞受賞 第27回(1990年) 文藝賞受賞 (「BOOK」データベースより)こんなストレートな本が直木賞かと不思議な気がします。名前のように「すなお」な青春小説でした。

『黄金を抱いて翔べ』 高村薫 *

銀行本店の地下深く眠る6トンの金塊を奪取せよ。大阪の街でしたたかに生きる6人の男たちが企んだ、大胆不敵な金塊強奪計画。ハイテクを駆使した鉄壁の防御システムは、果して突破可能か?変電所が炎に包まれ、制御室は爆破され、世紀の奪取作戦の火蓋が切って…

『東京ブラックアウト』 若杉冽 *

大ベストセラー『原発ホワイトアウト』を凌ぐディテールと迫力!! キャリア官僚が書いたリアル告発ノベル、最新作! 「原発再稼働」が既定路線のように進む日本……しかし、その裏には真っ黒な陰謀が渦巻いていた! いったん「原発再稼働」を認めれば、「発送電分…

『漂泊の牙』 熊谷達也 *

東北地方の山村。動物行動学者・城島の最愛の妻が惨殺された。その無惨な傷跡から、何ものかの野生動物によるものと考えられたが、警察も検死官もその正体を特定できなかった。単独調査に乗り出した城島の結論は、絶滅したはずの「ニホンオオカミ」にいきつ…

『秘密』 東野圭吾 **

妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。その日から杉田家の切なく奇妙な“秘密”の生活が始まった。映画「秘密」の原作であり、98年度のベストミステリーと…

『向田理髪店』 奥田英朗 ***

北海道。寂れてしまった炭鉱町。通りにひと気はないけれど、中ではみんな、侃々諤々。心配性の理髪店主人が暮らす北の町は、案外にぎやか。身に沁みて、心がほぐれる物語。 (「BOOK」データベースより)過疎の街で一番活発なのは自治体かもね。床屋さんを中…

『ホーンテッド・キャンパス 春でおぼろで桜月』 櫛木理宇 **

雪まだ深い春休み。大学生の森司は、来たるホワイトデイのことで気もそぞろ。とはいえ通常とは逆で、片想いのこよみからの、バレンタインのお返しについて。そんな森司に関係なく、オカ研には依頼が。SNSのオフ会に現れる、心中を強要する霊。恐怖の市松人形…

『樅ノ木は残った〈下巻〉 (1963年) 』 山本周五郎 ***

「侍の本分は、辛抱の中にある」名を捨て、一身を賭して仙台藩六十二万石を守った男の沈着壮絶な闘い!脚注で読む、新しい山本周五郎。 (「BOOK」データベースより)代表作をやっと読みました。1963年版の文庫で読みましたが、さすがに変色具合が根性の入っ…

『樅ノ木は残った〈上巻〉 (1963年)』 山本周五郎 ***

「本当の強さとは、何なのか…」空前の洞察力で、「伊達騒動」と人間原田甲斐を描ききる感動巨篇!脚注で読む、新しい山本周五郎。 内容(「BOOK」データベースより)読んだのは1963年の文庫、写真は全集から。

『スタフ staph』 道尾秀介 *

街をワゴンで駆けながら、料理を売って生計をたてる女性、夏都。彼女はある誘拐事件をきっかけに、中学生アイドルのカグヤに力を貸すことに。カグヤの姉である有名女優のスキャンダルを封じるため、ある女性の携帯電話からメールを消去するという、簡単なミ…

『去就: 隠蔽捜査6』 今野敏 ***

大森署管内で女性の連れ去り事件、さらに殺人が勃発。ストーカーによる犯行が濃厚になる中、捜査の過程で署長・竜崎は新任の上役と対立する。家庭でも娘にストーカー騒動が発生。予想不能の事態が公私に続発して…不穏な緊張感漂う最新長篇! (「BOOK」データ…

『女學生奇譚』 川瀬七緒 **

フリーライターの八坂駿は、オカルト雑誌の編集長から妙な企画の依頼をされる。「この本を読んではいけない…」から始まる警告文と古書を、竹里あやめという女が持ち込んできたのだ。その古書の本来の持主である彼女の兄は数ヶ月前に失踪、現在も行方不明。こ…

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』 東野圭吾 ***

夢をとるか、愛をとるか。現実をとるか、理想をとるか。人情をとるか、道理をとるか。家族をとるか、将来をとるか。野望をとるか、幸せをとるか。あらゆる悩みの相談に乗る、不思議な雑貨店。しかしその正体は…。物語が完結するとき、人知を超えた真実が明ら…

『虚ろな十字架』 東野圭吾 *

別れた妻が殺された。もし、あのとき離婚していなければ、私はまた遺族になるところだった。東野圭吾にしか書けない圧倒的な密度と、深い思索に裏付けられた予想もつかない展開。私たちはまた、答えの出ない問いに立ち尽くす。 (「BOOK」データベースより)…

『手紙』 東野圭吾 **

強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。弟・直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く…。しかし、進学、恋愛、就職と、直貴が幸せをつかもうとするたびに、「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかる苛酷な現実。人の絆とは何か。いつか罪は償えるのだろう…